2011年12月5日月曜日

沖縄防衛局長の発言の本質は沖縄に基地を作るということ

沖縄防衛局長が、環境影響評価書の提出に関して「犯す」という単語の含まれた発言をしたことで、話題になっていた。
この「犯す」という単語は婦女暴行を意味した例え話として使われたものと思われるが、言い回しに品がない。特に沖縄では以前、米兵による少女に対するわいせつ事件があったことが連想されるのもイメージが悪い。
同じ事を言うにも、柔らかい表現にしておけば、何の問題もなかったかもしれないが、うっかり当たり障りのあることを言ってしまったのだろうか。
ひょっとすると、局長にとって回答しにくい記者の質問に対する返答として、機嫌の悪い回答をしてしまったのかもしれない。

だが、しかし、所詮感情論だ。私に言わせるとくだらない。
この件に関する沖縄県知事の言動は、見た目とは裏腹に(失礼!)聡明な言動をしてきたこれまでの知事を思うと違和感を感じる。

沖縄県知事は今まで、沖縄県の基地受け入れについて、そうしたことができるような環境になっていないことを主張し、基地受け入れを拒否してきていた。
これは基地を受け入れさせたいのであれば、政府がそのための環境を作れ。ようは、求めるのなら、求める立場の努力で、沖縄県民が納得できる状態にしろということを暗に言っているのだ。立地場所か、金銭等を含む経済的な解決か、政府から沖縄県民の方を向いてお願いする心理作戦か、何が有効か分からないが、知事としては県民が反対する以上、知事も反対しないとしかたない立場なのだから、知事にYesと言わせたいなら、政府が妙案を自分で考えて県民の気持ちを変えてくださいと、言っているのだ。
これは、県民を代表する知事の立場を考えれば、筋の通った理にかなう構えであると思っている。
だからそんな知事には、うっかり口のすべった、まだまだ人生のあるたった一人の人の発言の1単語のことよりも、冷静で、見抜いた発言を期待してしまうわけだが、まあ、今は県民向けのパフォーマンスとしての意味もあるかもしれないということで納得しておいてもよい。

何が問題かというと、沖縄防衛局長が言っている内容が「沖縄にとって言い難いことは言わずに、しれ~と、ことを進めるのが当然だ」と言っているようにとれることの方が、はるかに大きい。
大人の世界や、交渉ごととして、そういう進め方があるということを、もっともとして考えることもいいが、沖縄県民の立場から見れば、正直でないやり方をしようとすることの方が、腹立たしいのではないだろうか。
政府は、沖縄県民に正面から向き合うつもりはなく、無視したり、知らん顔してやってしまおうというようにもとれるのだ。

また、沖縄県は県内に基地を作ることが決まったわけではないという立場ではなかっただろうか。
だとすれば、、先の沖縄防衛局長の発言は、そもそも意味が分からないことになるような気がする。まるで沖縄県に基地を作るつもりで、そのために事前には言わないとでも、言っているように聞こえるからだ。
沖縄県民が少なくとも現状において沖縄県に基地を作ることを許した覚えがないのであれば、何を犯すのだろうか?

そして、これら上記のことを含めても、よく分かるのは、何にしても日本政府は沖縄に基地を作るつもりだということ。それが当然のことのように進んでいることが垣間見えただけだろう。

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