2018年3月12日月曜日

Ortho4XPで航空写真をシーナリーにする方法

Ortho4XPという地形データと航空写真をX-Planeで使えるようにするツールがあるようです。Ortho4XPを紹介するウェブサイトのフォトジェニックな画面イメージを見て、私もやってみることにしました。

Ortho4XPはインターネット上にある地形データおよび航空写真をダウンロードして、X-Plane用のシーナリーを生成します。そのため、大量のハードディスク容量が必要になり、生成に時間がかかります。
しかし、できあがる風景はよりリアルなものとなります。

●作成方法、使い方
1.Ortho4XPは作者のドロップボックスから入手します。
https://www.dropbox.com/sh/cjjwu92mausoh04/AACt-QzgMRwKDL392K_Ux3cPa?dl=0
(右上の「ダウンロード」をクリック)

2.Ortho4XP\binフォルダの中のOrtho4XP_vXXX.exe(XXXの部分はバージョン)を起動します。

3.Ortho4XPのウィンドウにある「Earth tile map」をクリックして、地図を表示します。

4.地図はマウスの右ドラッグでスクロールできます。作成した地域を左ダブルクリックすると、その部分に黄色の枠が表示されるとともに、もとのウィンドウのLatitudeとLongitudeに該当部分の緯度と経度が入力されます。

5.以下のボタンを順番にクリックしてシーナリーを作成していきます。
「Step 1 : Build vector data」
「Step 2 : Build base mesh」
「(Step 2.5 : Build Masks)」
「Step 3 : Build Tile」

ウィンドウの右側にログが表示されます。それぞれの処理には時間がかかりますので長らくお待ちください。「Completed in 99.99sec.」と表示されたら、その処理は終わりです。

6.X-Planeがインストールされているフォルダの「X-Plane 11\Global Scenery\X-Plane 11 Global Scenery」のフルパスをOverlayの項目に入力し、「(Build overlay)」をクリックします。

7.「Ortho4XP\Tiles」に「zOrtho4XP_+36+137」のような名前のフォルダが作成されていますので、X-Planeがインストールされているフォルダの「X-Plane 11\Custom Scenery」の中にコピーします。

8.さらに「Ortho4XP\yOrtho4XP_Overlays」フォルダをX-Planeがインストールされているフォルダの「X-Plane 11\Custom Scenery」の中にコピーします。

9.X-Plane11を起動して、すぐに終了します。
「X-Plane 11\Custom Scenery\scenery_parks.ini」が更新されていますので、開いて、以下ような行が最下行にくるように書き換えます。
SCENERY_PACK Custom Scenery/yOrtho4XP_Overlays/
SCENERY_PACK Custom Scenery/zOrtho4XP_+36+137/
(yOrtho4XP_Overlaysの方を上にします。)

10.完成です。X-Plane11で飛行してみてシーナリーが変わっているか確認してください。

●バッチ実行
お気づきかと思いますが、上記手順を地図のタイルひとつひとつにやっていくのは手間がかかります。そこで、一括で作成できるバッチビルドがあります。
地図の上でシフトキーを押しながらクリックすると、バッチビルドで作成するタイルを選んでいくことができます。作成したいタイルをすべて選択したら、地図の左にある「Build masks」と「Build overlays」のチェックボックスを両方ともオンにします。元のウィンドウのOverlayに上記手順の6にあるパスが正しく入力されていることを確認して、「Batch Build」をクリックします。
選んだタイルの数によっては何時間もかかることになると思いますので、放置しておきます。

●Ortho4XPのシーナリーを他のハードディスクに置いておく方法
Ortho4XPは大量のハードディスク容量を消費します。そのため、Ortho4XPのシーナリーフォルダだけ容量の大きい別ドライブのハードディスクに置いておきたいということがあるかもしれません。
Ortho4XPのフォルダにシンボリックリンクを張ることでそのようにすることができます。

管理者モードでcmd.exeを起動します。
オーバーレイフォルダは以下のようなコマンドでシンボリックリンクを張ることができます(パスは書き換え必要)。
mklink /D "C:\X-Plane\Custom Scenery\yOrtho4XP_Overlays" "E:\Ortho4XP\yOrtho4XP_Overlays"
タイルフォルダは以下のようなコマンドでシンボリックリンクを張ることができます(パスは書き換え必要)。
mklink /D "C:\X-Plane\Custom Scenery\zOrtho4XP_+36+137" "F:\Ortho4XP\Tiles\zOrtho4XP_+36+137"

タイルのフォルダは存在するだけ実行することになりますが、私は以下のようなバッチファイルを作成して、一括でシンボリックリンクを張れるようにしました。
オーバーレイとすべてのタイルのシンボリックリンクを自動作成します。
後からタイルを追加作成した場合でも、同じシンボリックリンクを作成しようとするとエラーになるだけですので、繰り返し何度でも実行できます。
使用されたい方はX_PLANE_CUSTOM_SCENERYとORTHO4XP部分のパスを環境に合わせて書き換えてください。また、管理者モードで実行してください。
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@echo off
rem Make symbolic link for Ortho4 XP
rem THE INTERNET MAN www.tim.jp

setlocal enabledelayedexpansion

rem set 'Custom Senery' folder of X-Plane, and 'Tiles' folder of Ortho4XP.
set X_PLANE_CUSTOM_SCENERY=C:\X-Plane 11\Custom Scenery
set ORTHO4XP=F:\Ortho4XP

for /d %%i in (%ORTHO4XP%\Tiles\*.*) do (
mklink /D "%X_PLANE_CUSTOM_SCENERY%\%%~ni" "%%i"
)

mklink /D "%X_PLANE_CUSTOM_SCENERY%\yOrtho4XP_Overlays" "%ORTHO4XP%\yOrtho4XP_Overlays"

pause
------------------------

●地図の種類を変更
デフォルトではBingのズームレベル16の航空写真が使われます。「Base zoomlevel」の値を変えるとズームレベルを変更できます。値を大きくすると精細な写真になり、小さくすると粗い写真になります。もちろん精細な方がいいですが、容量との兼ね合いもあります。基本的にはデフォルトの16で作成し、詳細な写真が欲しい部分だけ17を使用されるのがいいのではないかと思います。
また、Bing(BI)以外の地図も使えますが、日本をカバーする写真を収録しているものは多くありません。BI以外だとArcかJPくらいになります。
「Choose custom zoomlevel」をクリックすると地図をプレビューできるウィンドウが表示されますので、使える地図を探すのにお試しください。

●関空の修正
通常の手順でシーナリーを作成すると関西国際空港の地形がデコボコになってしまいます。この問題については以下のページにて、対策パッチが公開されています。
https://piano2nd.smb.net/XPJ/viewtopic.php?t=29
あらかじめパッチを入れておくか、すでに作成済の場合はパッチを入れて再作成してください。

●使ってみて
Ortho4XPを使ってみて、山岳部分は見違えるようになります。しかし、使っていると問題も目についてきます。
・ハードディスク容量をバカ食いします。不足する場合、Ortho4XPのために散財するか迷うところです。
・航空写真の撮影時期により色合いが異なるものが混在しています。そういう部分では明確に境界が見えるのが残念です。Bing以外のどれを使っても少なからずそうした部分があります。
Bingのズームレベルを12まで下げると、色合いは統一されると思いますが、解像度がかなり落ちるため、Ortho4XPを使っている意味がなくなります。
 ・上に書いた関空もそうですが、一部で地形がおかしくなる場所があります。

写真の色合いの境目が見えるのは、見ていて覚めてしまうため、それならいっそのこと、もとに戻そうかと思いましたが、もう少し使い続けて様子を見てみたいと思います。
いろいろ問題もあるのですが、そういう完璧ではないところが、良くも悪くもX-Planeらしいところだと思います。

高解像度VR HP ReverbでX-Plane 11を飛んでみた