2012年4月10日火曜日

ロゼッタスタジオの進み方、難易度と実際の内容、大変な面、効果

ロゼッタストーンのstudioレッスンを受けた方は、「楽しい」と言われる方が多いようです。
私の感想は、「つらい」というものです。

私が購入したロゼッタストーンはアメリカ英語のLevel1~5まで5段階あります。それぞれのレベルはUnitと呼ばれる学習単位に4分割されます。
全部で5level×4unit=20unitで構成されています。level1のunit1がもっとも簡単で、level5のunit4が最終です。
それぞれのunitごとのパソコン学習によるcourseを終えると、該当unitのstudioを予約します。
当日はたいてい全部埋まっており、翌日では残っている枠があります。2日先であれば、だいたい予約可能です。

予約した時刻にソフトを起動して用意しておくと、時刻ぴったりに画面が切り替わり、レッスンがスタートします。このとき、はじめてだと、かなりドキドキします。
Hi、Helloといった簡単な挨拶と、参加者一人ひとりが、自分の名前と、せいぜいHow are you?程度の会話で自己紹介すると、すぐにレッスン開始です。
慣れてきたら、お茶でも用意して、リラックスして臨みましょう。ただし、ヘッドセットのマイクはゴクッという音をしっかり拾うので、左側の自分の名前のところにマウスカーソルを移動すると表示されるメニューから、マイクの消音できる機能を活用しましょう。

最初はcourseに出てきたものとまったく同じ写真が出され、参加者リストで一番上に表示されている人に質問が来ると思います。
「Hanako, What is this?」といった感じです。
それに対し、「This is a girl.」と答えると、コーチが「Good!」と返します。
参加者全員に対して順番に、同じように質問されます。
一巡すると、次の写真に移ります。
この辺りはcourseの内容を覚えていれば、乗り切れます。
間違ったり、細かい点は、コーチが修正します。

しかし、徐々に様子が変わってきます。courseの内容がおおよそ問題ないとなると、courseで見たことがないようなものが登場してきます。終盤は応用問題で、難易度が上がります。
少し考えれば分かりますが、studioでcourseの内容を機械的に復習するだけではあまり意味がありません。それこそcourseでできることだからです。予想していない質問こそ、その場でとっさに考えて回答しなければならないので、英会話の学習効果が飛躍的に高まることが想像できます。
そうは言っても、私の場合、これでいつもボロボロになります。
できないから学習しているわけで、はじめてのことができるわけがありません。もしもできるのであれば、そのstudioを受けている意味がありません。できなくて当たり前なのですが、できないから精神的に苦しいのです。
私は、数十秒にわたって言葉が出ず沈黙したり、苦し紛れに自分でもおかしいと分かっている英語を言ったり、最後にはコーチにそれではダメだと却下されて、別のことを言い直せと言われたりもしました。
コーチに日本語は通じないですし、他の参加者も日本人とは限りません。studioで日本語使用はルール違反かつマナー違反です。絶対に日本語に逃げることはできません。とにかく何か英語を言うしかありません。言いたいことが言えないので、追い込まれ、窮した状況は惨めです。
その時は必死ですから、感情はありませんが、終わった後、凹みます。
そのお陰で、その時教わったことは、特に記憶に残ります。
できなかったことは、他の方法を用いて学習しなおし、弱点を潰すようになります(ロゼッタストーンだけで完結していないのは、いまいちですが)。

最初に私がstudioが「つらい」と書いたのは、このように、必ずうまくできないからです。
できてしまえば、コーチは当然、その少し上の課題を投げてきます。絶対にスムーズには終わらないのです。
I don't know. や No idea. でいつも逃げているわけにもいきません。
問題は、言いたいことが出ないということです。分からなかったとしても、可能なときはジョークで返したりもしますが、英語学習中の身ゆえ、根本的に英語が出て来ません。だから、かわすことすらできず、どうしようもありません。分かっていても、ストレスが残ります。
この苦境を受け入れられるのであれば、ロゼッタストーンのstudioはよい教材となるかもしれません。おそらく、こういうことこそが、英会話習得の乗り越えるべき壁のひとつなのでしょう。

studioが「楽しい」と言っている方は、すでにそれなりの英語力があって、他の参加者より上手にできているのではないかと思います。優越感と言いますか、上手にできている感覚があれば気持ちよいということなのではないかと思えます。
studioで時間を過ごした効果という意味では、大変な思いをした人の方が大きいということになると思いますが、自分にいつもそう言い聞かせて納得しなければなりません。

そんなにつらいスタジオですが、ロゼッタストーンに興味がある方は、購入して受けてみてください。
私が、楽しい話ばかりではなく、上記のことを書いたので、もうstudioを恐れる必要はありません。
何事も、いい、楽しいという話ばかり聞いてからだと、やってみたらだいたいたいして面白くないものです。
だから、楽しくない側面も聞いておいた方が、良いと思います。
冗談ではなく、本気です。何かを習得しようとするのですし、studioは生身の人間のレッスンです。負の側面がないわけがありません。その辺りを踏まえればもう心置きなく、あなたも一歩を踏み出してください。

英語のできない人がロゼッタストーンのStudioレッスンを受けるとき

ロゼッタストーンにはstudioというのがありまして、コーチの他、最大4人までの学習者が参加するオンラインによるグループレッスンです。
studioは、現在、販売されているロゼッタストーンの要素の中でとても重要な役割となっており、目玉、本命の機能と言っても言い過ぎではありません。
アメリカ英語のLevel1~5までセットになった製品は定価で79,800円、およそ8万円です。そこに15ヶ月分のstudio参加権が付属しています。
courseというパソコンによる自動学習ソフトだけだったら、私はこの製品に3万円程度の価値しか考えないかもしれません。courseは、音声認識があったり、全体のボリュームもあるため、よくできているのですが、8万円と言われると高い感を否めません。
残りの5万円はそれ以外の機能、特にstudioに対するものであると考えています。
仮に、その5万円を20回分のstudioで割ると、一回あたり2,500円かかる計算になります。studioは追加料金なしに何回でも受講できますので、その倍の回数、40回受講すれば、一回あたり1,250円まで下がります。1回、50分間のレッスンで最大4人まで参加します。欠席者も多いので、だいたい平均3人として考えると、ひとりあたりの時間換算で4500円程度の費用となります。
つまり、40回受講した場合、それぞれの人が、1時間あたり4500円支払っている計算になります。
こうして計算すると、ロゼッタストーンが必ずしも安いわけではありません。安すぎてクオリティが落ちても意味がありませんから、こんなものであろうとは思います。

私はまだLevel1のstudioしか参加したことがありません。
どのネイティブコーチも、非常にスローペースで話し、何か答えるたびにGood!、Excellent!、と、大きくうなずいて、褒めてくれます。間違った回答をすると、正しく直してくれます。
同じレベルのstudioを受講すると、ほぼ同じ内容が出題されることから、進行手順がマニュアル化されていることが分かります。
そうしたことから、それなりにトレーニングを経たコーチが行なっていることがうかがわれます。

ロゼッタストーンは、子供が母国語を覚えるように、自然に言語を学習できるようになっていることになっています。そのため、学習対象言語の赤ちゃんレベルからはじめることができるそうです。
courseの方は、誰にも見られていない自習ですから、知らないなら、知らないなりに、なんとかがんばったとしても、studioはどうでしょうか?生身の人間を相手にするレッスンで、何も知らない人が、本当に受講して、ついていけるでしょうか?
例えば、アルファベットの「T」を「てー」と発音したり、「D」を「でー」と発音するような方も世の中にはおられます。
英語のえの字も知らない方が、ロゼッタストーンを始めたとしたら、私は、正直、さすがに厳しいと思います。
studioはcourseの進み具合に応じて段階分けされたものを受講します。あるレベルのcourseを終了したら、その内容に沿った内容のstudioを受講します。ですので、courseがしっかりできていればstudioは、問題なくできるという理屈になるのですが、現実はcourseでやっていない内容や、それを超えた内容がstudioには出てきます。また、たとえcourseでやったことでも、それをすぐに使えるようになるはずがありません。

一番初歩のstudioであっても、コーチの話す内容を理解できなければ、何を聞かれているのか分からないので、会話が成立しません。その場合、画面に書いて示してもらうことができますが、それでも文章を理解する能力が必要ですし、そもそもアルファベットというものを学んでいなければなりません。
studioが、courseに出てきた単語だけで構成できるのであれば、courseをしっかりやっておけ、ということも言えるかもしれませんが、初期のcourseの中で、studioに必要となるすべての単語を網羅することはできないでしょう。

あまりにも何もできないと、他の参加者もいるグループレッスンという形式では、迷惑とまでは言わないまでも、公平に進められなくなるような気がします。
ロゼッタストーンをはじめるには、せめて「What is this?」や「Ask me.」といった単純なフレーズを、ゆっくり言われて、聞きとり、意味を理解するヒアリング力が必要です。
逆に言えば、その程度が理解できれば、ロゼッタストーンをはじめることができると思います。
たしか、オンラインサービスの参加には最低年齢の制限があったような気がしますし、ロゼッタストーン自体、6ヶ月以内返品可能となっているのは、いくらなんでもそのレベルでは、という方が購入したときのことがあるのかもしれません。

それにしても、日本人にとって英語であれば、まだ少しは知っている可能性が高いのでいいのですが、まったく知らない言語のとき、studioがどのようになるのか心配というか疑問です。
例えばロシア語なんかをゼロからやったとすれば、studioはどうやって行なっているのでしょうか。おそらくロゼッタストーンだけでは難しいような気がします。