2018年3月19日月曜日

FSXと比較してX-Planeはどうか?

FSX(Microsoft Flight Simulator X)を長く使ってきてX-Planeに移行して、今、X-Planeを使っている私としては、どちらかというとX-Planeの方が良いという評価になってしまいます。ですので、FSXとX-Planeの比較をX-Planeびいきにしてみたいと思います。

まず、グラフィックスです。風景、機体、空港、雲、道路、自動車、夜景…どれをとってもX-Planeの方が上です。FSXは、記憶をたどるとその祖先であるFS2000の時にグラフィックスが劇的に向上しました。当時は美麗さと動作の重さに驚いたものですが、それはもう18年も前のことです。その6年後に発売されたFSXですが、グラフィックスはFS2000の大変革を引き継いでいます。現在進行形で進化しているX-Planeと比較するとさすがに10年以上前のグラフィックスでは差が出てしまいます。それでいて、X-Planeの方がフレームレートが高いです。FSXは、重いというよりは、CPUのマルチコアを活用していなかったり、GPUの機能を使い切っていないため、無駄にマシンスペックが要求されます(その点はPrepar3Dではかなり改善されているようです)。

FSX 

X-Planeはシミュレーション計算をまじめにやっています。その結果、少しだけ操縦が難しくなっていると思います。離着陸はある程度練習すれば誰でもできるようになりますから、より現実的に難しいX-Planeでは、毎回の離着陸がより緊張感を持って楽しめるような気がします。

FSXは開発チームが解散し、今後の発展に期待できません。Prepar3DはFSXベースという点が足を引っ張っていると思います。根本的な改善をしなければ、時間経過による劣化に追いつけません。そもそもロッキードマーティンはソフトウェア開発会社なのだろうかというのも疑問です。
X-Planeは、現在も積極的に開発が進められています。2、3日前にもV11.20b1が発表されましたが、ベータ版という形でユーザーのフィードバックを受けながら改良が続けられています。

そういうわけで、もしも問題がなければX-Planeをお勧めしたいところですが、まったく問題がないわけではありません。

X-Plane自体は日本語にローカライズされていますが、関連情報は英語が多いように思います。それはFSXにおいてもそうなのですが、X-Planeはさらに国内情報が少ないように思います。英語に苦手意識がある人にとっては大きなハードルになります。

ユーザー数という点でもFSXの方が多いように見えます。特に国内ではその傾向が強いと思います。それは、アドオンの多さにも影響します。国内メーカーによるX-Plane用のアドオンは私の知る限りは分かりません。

X-Plane11を使っていて、今のところ大きな支障はないのですが、Microsoftという大メーカーが作ったものと比較すると品質に不安があります。時にそういうものは作り込みの差として現れたりします。私がX-Plane10を使った時は、日本語ローカライズが中途半端であったり、ローディングに時間がかかり過ぎたりと、途中で我慢できなくなって投げ出してFSXに戻った経緯があります。X-Plane11については使える水準まで来ているという印象です。しかし、不安が100%ないわけではありません。

X-Plane11

X-Planeは現在11が最新です。私は以前に10を購入しました。だからといって11が特別料金で安く買えたということはありません。今後いずれ12になったとしても同様だと思われます。Steamセールでの割引狙いも手ではありますが、最新にしたければ再購入になることには変わりありません。開発には経費がかかるのですから、新しい開発分に費用を求められるのは当然です。X-Plane11はSteam標準価格で7,499円です。社会人の趣味として高いものとは思いませんが、一方のFSXは開発が打ち切られているのですから、それ以上の再購入は良くも悪くも、起こりません。

フライトシミュレーター初心者向けとしてはFSX(Steamで2,480円)は手軽でいいと思います。情報源、アドオン等、もっとも恵まれた環境です。
一方、ある程度フライトシミュレーターに慣れた方は、X-Planeでプラグインを入れたりして新たな気持ちで遊んでみるのも悪くないと思います。初心者の人にとっては、飛ばすだけでなく、あれこれやりはじめると、情報源が海外に多くなるので、その点に抵抗がなければ楽しめると思います。
Prepar3Dは値段を考えると、初心者向けとしては敷居が高く、グラフィックスやフライトモデル等X-Planeと比較して優れているとも思えないわけで、その価格と機能がつり合っておらず、高価格というプレミア感やロッキードマーティン社というネームバリューからプロフェッショナルユースを感じさせるものの、冷静に考えると微妙なところではあります。FSXの資産が活かせるというのは大きなアドバンテージですので、その点にこだわるかどうかというところが大きいと思います。特にFSXのアドオンをたくさん購入した人なんかは、離れなれないということがあるかもしれません。

X-Planeで時間を一瞬で変えられる便利な機能

X-Planeで便利な機能の一つは、時間を簡単に変えられることです。キーボードのkまたはlを押すだけです。kキーで時間を戻し、lキーで時間を進めることができます。また、シフトキーを押しながらそれらのキーを押すと高速に時間を変えられます。
太陽の位置や空の明るさがスムーズに気持ちよく変化します。
時計で正確な時刻を選ぶというのではなく、むしろ、正確な時刻は分からないけれど、夕焼けとか、欲しい雰囲気の時間帯にすぐに変えられるというのがとても便利です。

2018年3月12日月曜日

Ortho4XPで航空写真をシーナリーにする方法

Ortho4XPという地形データと航空写真をX-Planeで使えるようにするツールがあるようです。Ortho4XPを紹介するウェブサイトのフォトジェニックな画面イメージを見て、私もやってみることにしました。

Ortho4XPはインターネット上にある地形データおよび航空写真をダウンロードして、X-Plane用のシーナリーを生成します。そのため、大量のハードディスク容量が必要になり、生成に時間がかかります。
しかし、できあがる風景はよりリアルなものとなります。

●作成方法、使い方
1.Ortho4XPは作者のドロップボックスから入手します。
https://www.dropbox.com/sh/cjjwu92mausoh04/AACt-QzgMRwKDL392K_Ux3cPa?dl=0
(右上の「ダウンロード」をクリック)

2.Ortho4XP\binフォルダの中のOrtho4XP_vXXX.exe(XXXの部分はバージョン)を起動します。

3.Ortho4XPのウィンドウにある「Earth tile map」をクリックして、地図を表示します。

4.地図はマウスの右ドラッグでスクロールできます。作成した地域を左ダブルクリックすると、その部分に黄色の枠が表示されるとともに、もとのウィンドウのLatitudeとLongitudeに該当部分の緯度と経度が入力されます。

5.以下のボタンを順番にクリックしてシーナリーを作成していきます。
「Step 1 : Build vector data」
「Step 2 : Build base mesh」
「(Step 2.5 : Build Masks)」
「Step 3 : Build Tile」

ウィンドウの右側にログが表示されます。それぞれの処理には時間がかかりますので長らくお待ちください。「Completed in 99.99sec.」と表示されたら、その処理は終わりです。

6.X-Planeがインストールされているフォルダの「X-Plane 11\Global Scenery\X-Plane 11 Global Scenery」のフルパスをOverlayの項目に入力し、「(Build overlay)」をクリックします。

7.「Ortho4XP\Tiles」に「zOrtho4XP_+36+137」のような名前のフォルダが作成されていますので、X-Planeがインストールされているフォルダの「X-Plane 11\Custom Scenery」の中にコピーします。

8.さらに「Ortho4XP\yOrtho4XP_Overlays」フォルダをX-Planeがインストールされているフォルダの「X-Plane 11\Custom Scenery」の中にコピーします。

9.X-Plane11を起動して、すぐに終了します。
「X-Plane 11\Custom Scenery\scenery_parks.ini」が更新されていますので、開いて、以下ような行が最下行にくるように書き換えます。
SCENERY_PACK Custom Scenery/yOrtho4XP_Overlays/
SCENERY_PACK Custom Scenery/zOrtho4XP_+36+137/
(yOrtho4XP_Overlaysの方を上にします。)

10.完成です。X-Plane11で飛行してみてシーナリーが変わっているか確認してください。

●バッチ実行
お気づきかと思いますが、上記手順を地図のタイルひとつひとつにやっていくのは手間がかかります。そこで、一括で作成できるバッチビルドがあります。
地図の上でシフトキーを押しながらクリックすると、バッチビルドで作成するタイルを選んでいくことができます。作成したいタイルをすべて選択したら、地図の左にある「Build masks」と「Build overlays」のチェックボックスを両方ともオンにします。元のウィンドウのOverlayに上記手順の6にあるパスが正しく入力されていることを確認して、「Batch Build」をクリックします。
選んだタイルの数によっては何時間もかかることになると思いますので、放置しておきます。

●Ortho4XPのシーナリーを他のハードディスクに置いておく方法
Ortho4XPは大量のハードディスク容量を消費します。そのため、Ortho4XPのシーナリーフォルダだけ容量の大きい別ドライブのハードディスクに置いておきたいということがあるかもしれません。
Ortho4XPのフォルダにシンボリックリンクを張ることでそのようにすることができます。

管理者モードでcmd.exeを起動します。
オーバーレイフォルダは以下のようなコマンドでシンボリックリンクを張ることができます(パスは書き換え必要)。
mklink /D "C:\X-Plane\Custom Scenery\yOrtho4XP_Overlays" "E:\Ortho4XP\yOrtho4XP_Overlays"
タイルフォルダは以下のようなコマンドでシンボリックリンクを張ることができます(パスは書き換え必要)。
mklink /D "C:\X-Plane\Custom Scenery\zOrtho4XP_+36+137" "F:\Ortho4XP\Tiles\zOrtho4XP_+36+137"

タイルのフォルダは存在するだけ実行することになりますが、私は以下のようなバッチファイルを作成して、一括でシンボリックリンクを張れるようにしました。
オーバーレイとすべてのタイルのシンボリックリンクを自動作成します。
後からタイルを追加作成した場合でも、同じシンボリックリンクを作成しようとするとエラーになるだけですので、繰り返し何度でも実行できます。
使用されたい方はX_PLANE_CUSTOM_SCENERYとORTHO4XP部分のパスを環境に合わせて書き換えてください。また、管理者モードで実行してください。
------------------------
@echo off
rem Make symbolic link for Ortho4 XP
rem THE INTERNET MAN www.tim.jp

setlocal enabledelayedexpansion

rem set 'Custom Senery' folder of X-Plane, and 'Tiles' folder of Ortho4XP.
set X_PLANE_CUSTOM_SCENERY=C:\X-Plane 11\Custom Scenery
set ORTHO4XP=F:\Ortho4XP

for /d %%i in (%ORTHO4XP%\Tiles\*.*) do (
mklink /D "%X_PLANE_CUSTOM_SCENERY%\%%~ni" "%%i"
)

mklink /D "%X_PLANE_CUSTOM_SCENERY%\yOrtho4XP_Overlays" "%ORTHO4XP%\yOrtho4XP_Overlays"

pause
------------------------

●地図の種類を変更
デフォルトではBingのズームレベル16の航空写真が使われます。「Base zoomlevel」の値を変えるとズームレベルを変更できます。値を大きくすると精細な写真になり、小さくすると粗い写真になります。もちろん精細な方がいいですが、容量との兼ね合いもあります。基本的にはデフォルトの16で作成し、詳細な写真が欲しい部分だけ17を使用されるのがいいのではないかと思います。
また、Bing(BI)以外の地図も使えますが、日本をカバーする写真を収録しているものは多くありません。BI以外だとArcかJPくらいになります。
「Choose custom zoomlevel」をクリックすると地図をプレビューできるウィンドウが表示されますので、使える地図を探すのにお試しください。

●関空の修正
通常の手順でシーナリーを作成すると関西国際空港の地形がデコボコになってしまいます。この問題については以下のページにて、対策パッチが公開されています。
https://piano2nd.smb.net/XPJ/viewtopic.php?t=29
あらかじめパッチを入れておくか、すでに作成済の場合はパッチを入れて再作成してください。

●使ってみて
Ortho4XPを使ってみて、山岳部分は見違えるようになります。しかし、使っていると問題も目についてきます。
・ハードディスク容量をバカ食いします。不足する場合、Ortho4XPのために散財するか迷うところです。
・航空写真の撮影時期により色合いが異なるものが混在しています。そういう部分では明確に境界が見えるのが残念です。Bing以外のどれを使っても少なからずそうした部分があります。
Bingのズームレベルを12まで下げると、色合いは統一されると思いますが、解像度がかなり落ちるため、Ortho4XPを使っている意味がなくなります。
 ・上に書いた関空もそうですが、一部で地形がおかしくなる場所があります。

写真の色合いの境目が見えるのは、見ていて覚めてしまうため、それならいっそのこと、もとに戻そうかと思いましたが、もう少し使い続けて様子を見てみたいと思います。
いろいろ問題もあるのですが、そういう完璧ではないところが、良くも悪くもX-Planeらしいところだと思います。

高解像度VR HP ReverbでX-Plane 11を飛んでみた

2018年3月7日水曜日

X-Planeでの巡航飛行の時間短縮方法

Microsoft Flight Simulator Xで飛んでいたときは、シミュレーション速度を2倍、4倍、8倍、16倍などにすることができました。国際線を飛ぶと何時間もかかりますから、現実的には巡航中の時間短縮は必須です。ただ、8倍速や16倍速で飛行すると、オートパイロットの高度維持がハンチングを起こし、激しく揺れて、たまにATCから高度を修正するよう怒られたりもしました。それでも時間短縮という目的は果たせましたから、便利な機能でした。
最近、X-Planeを購入して飛んでいるのですが、FSXとはその辺の勝手が違います。
目的地に時間短縮するという用途としては、X-Planeでは対地速度を変える方法があります。これは単純に前進速度を何倍速かにするというものです。対地速度以外のシミュレーション計算は高速化しません。そうすると、1倍速でシミュレーション計算するオートパイロットにとっては、想定外の何倍もの対地速度(マッハ10とか)で飛行する機体の制御を計算することになります。まともな計算ができなくなり、高度維持がハンチングを起こします。ハンチングは時間とともに徐々に大きくなっていき、1万フィートを超える幅で上下動しはじめることになります。これでは巡航飛行の時間短縮としては使いものになりません。
X-Planeではシミュレーション速度を高速化することもできます。対地速度だけでなく、シミュレーションの計算側も高速化できる機能がちゃんと用意はされています。しかし、それには強力なCPUパワーが必要になり、私のパソコンでは2倍速での計算すらできません。

この問題について、海外の情報を漁ってみても、飛行速度に対するシミュレーション速度が間に合わないのだから、そのようになるのは当たり前という話になっています。
なるほど、異常な速度で前進しているのだから、まじめにシミュレーション計算するX-Planeにとって、計算が追い付かなくなれば不安定になるのは当然というのは一見説得力があります。
しかし、IT技術者である私から見ると、ちょっと疑問だったりもします。例えば、仮定の話ですが、現実の大型旅客機で単純に速度だけマッハ10にできたとして(仮定の話なので機体強度その他は無視)、その場合、オートパイロットのプログラムが高度を制御不能になるかというと、それは分かりません。あるいは、飛行速度は通常のマッハ0.8程度だとして、オートパイロットの処理速度だけをなんらかの方法で遅くできたとしたら、オートパイロットにとっては、やはり想定外の飛行速度になるのと同じことだと思うのですが、その場合にオートパイロットが高度を維持できなくなるかは分かりません。
さらにIT技術者視点らしい見方ですが、単純に時間短縮したいだけなのであれば、まじめにシミュレーション計算する必要はなく、ある瞬間の高度を強制的に維持するような、それ専用のモードを実装してもいいと思います。
とはいえ、私がX-Planeを作っているわけではありませんし、X-Planeの開発者が、なにかをするにも手間と時間がかかるわけで、今のところないものは仕方ないと考えるしかありません。

代替案として、FSXであったスルーモードという機体を自由に移動できる機能はないのかと探してみました。プラグインで見つけたのですが、X-Plane10の古い時代に作られたもののようで最新のX-Plane11では正常に機能しませんでした。

X-Plane11では、地図を表示して、そこに表示されている自機のマークをマウスでドラッグして、他の場所に持っていくことができます。これであれば、時間短縮どころか、瞬間移動できます。
しかし、問題があって、移動すると、移動先のシーナリーのロードに時間がかかります。ですから実際は瞬間移動にはなりません。それでも数十秒待てばロードが終わるので、まじめに飛行する時間を考えれば全然ましです。しかし、地図を大きくズームアウトできないのが問題です。自機のドラッグによる移動は地図で見えている範囲になりますから、一回で移動できる範囲に制限があります。地図上に端までは、だいたい300kmくらいでしょうか。一回移動すると、自機を中心にまた地図で表示されている範囲になります。関空から台湾に行くだけでも5~6回の移動が必要です。移動するたびにシーナリーのロードを待たされますから、だるい作業です。もっと遠いヨーロッパやアメリカあたりまで飛行するとしたら、面倒くさいことになりそうです。
また、瞬間移動ですから、時計は進みません。時間の経過とともに日の出や夕焼けを楽しむというのはあまりできません。FMSの経路の入力もそれを考えて作っておく必要があります。それでも、現状、唯一の解決策はこれしかない状況です。

vJoy+UCRでフライトシミュレーターのジョイスティック入力を柔軟にカスタマイズ

X-Planeを使うにあたり、私は、THRUSTMASTER製のT-Flight Hotas Xというジョイスティックを使っています。手ごろな価格で、コンパクトサイズであり、私のようなライトなフライトシミュレーターユーザーには悪くない製品ですが、X-Planeを使うためには少々悩みがあります。

まず、スロットルレバーにセンターがあります。スロットルレバーを動かすと、中間でカクッと抵抗のある部分があります。スロットルをちょうど中間で止められるようになっています。これは、前進と後進ができる宇宙船等を操縦するようなゲームを想定して、スロットルを前後方向に分けて操作できるようになっているためです。しかし、航空機の操縦であるX-Planeにおいてはこの機構は邪魔です。スロットルの中間部分にひっかかりがあると、スムーズな操作を阻害します。実際のところ、気にしなければそれほど大きな問題にはならないのですが、邪魔ではあります。
そうであれば、スロットルレバーの上半分をスロットル、下半分をリバースとして割り当てられるようなことができればいいのですが、X-Planeではそのように設定することはできません。

もう一つ。このジョイスティックのアナログ入力は、スティックによるエルロンとエレベーター、スティックのひねりによるラダー、それからスロットルレバーの4系統の他に、もう一つ、スロットルレバーの後ろにアナログ入力できるレバーというかボタンのようなものが付いています。スロットルレバーを握る左手の人差し指から小指までがあたる部分にあって、シーソー式に操作します。このシーソー式ボタンはスプリングでセンターに戻るため左右に分かれた操作となります。例えばラダーとして割り当てることができます。
ラダーに関してはスティックのひねりでできるため、せっかくならこのシーソー式ボタンは他の用途に使いたいです。X-Planeでは、アナログ入力をコマンド入力に置き換えられる設定があります。そこでシーソー式ボタンの右半分にブレーキを設定してみました。少し右に押すと普通のブレーキ力、いっぱいまで押すと最大のブレーキ力がかかるようにX-Plane上で設定できるため、たった2段階ではありますが、アナログチックにブレーキ操作できるようになります。しかしながら、タキシング中に普通のブレーキ力でブレーキをかけただけでも、強いブレーキ力になって、機体が前のめりでカックン、カックンとなります。
本来であればX-Planeにはアナログのトーブレーキがあるのですが、左足、右足に分かれた入力となっているため、一系統のアナログ入力に左右のどちらかのブレーキしか割り当てできません。X-Planeに左右同時トーブレーキの設定ができればいいのですが、それがないのです。

スロットルレバーの上半分と下半分を別々に割り当てる方法と、シーソー式ボタンによる左右同時トーブレーキ。この二つの問題を解決する方法を探していたところ、外部のソフトウェアを使うことでどうにかなりました。

まず、vJoyという仮想ジョイスティックソフトウェアを使います。これは、フライトシミュレーター用というわけではなく一般的に使われているもので、ジョイスティックを必要とするゲームのために、他のなんらかの入力(キーボードやマウス入力等)をジョイスティック入力に変換させることを想定したものです。そのような用途を求めるソフトウェア開発者向けに提供されています。Windowsのデバイスドライバとして動作し、Windows上で仮想ジョイスティックとして振舞います。しかし、一般ユーザーにとって、これ単体では意味を成しません。この仮想ジョイスティックを活用したアプリケーションソフトウェアを使います。

その一つが、ジョイスティック入力を変換できるUniversal Control Remapper(UCR)というソフトウェアです。例えば、スロットルスティックの上半部の入力を、仮想ジョイスティックの特定の軸出力の全域に割り当てるといったことや、二つのアナログ入力をマージして一つの軸出力に変換するといったことができます。マージするというのは、例えば、自動車ゲーム用のアクセルとブレーキの2系統のペダル入力を足して、航空機ゲームでラダーとして流用するということが考えられます。実際に試したわけではないので、その場合の操作感はどうか分かりませんが。

vJoy+UCRの組み合わせで、スロットルレバーの上半分をスロットルとし、下半分をリバーススラストとして割り当てることや、シーソー式ボタンの右半分をトーブレーキの左右両方に割り当てることが可能になります。

vJoyは以下から入手します。
http://vjoystick.sourceforge.net/site/index.php/download-a-install/download

UCRは以下から入手します。
https://autohotkey.com/boards/viewtopic.php?t=12249

vJoyをインストールした後、UCRをインストールしてください。

vJoyとUCRは、全面的に英語のソフトウェアですので、英語が理解できないと分かりにくいかもしれません。以下に、基本的な使い方を説明します。
1.UCRを起動
UCR.exeを起動します。

2.プロファイルを作成
UCRの右側にあるAddボタンをクリックしてツリーにプロファイルを追加します。
例えばX-Plane用として「X-Plane」という名前でプロファイルを作っておくと分かりやすいと思います。

3.プロファイルにプラグインを追加
作成したプロファイルにプラグインを追加していきます。プラグインというのは、変換を行う単位です。ひとつのプロファイルに複数のプラグインを作成できます。
たとえばAxisSplitというプラグインは軸入力の下側と上側を半分に分けて、上側、下側それぞれを別の軸出力に分けることができます。
上部にあるPlugin Selectionコンボボックスから目的のプラグインを選択してその横のAddをクリックすると、プラグイン名の入力を求めてきますので、適当な名前にして追加します。すると、青色のタイトルバーを持つプラグイン設定項目がウィンドウ内に追加されます。
そこでInput Axisとある部分が、入力側の軸で、Output側がvJoyへの出力となります。入力側のコンボボックスから、Stick番号を選び、さらにAxisを選んで、割り当てるジョイスティックとその軸を選択します。といっても、ジョイスティックの特定の軸が何番のStick番号でどのAxisか分かりませんから、見当をつけて選ぶ必要があります。右横にあるInput Previewで、選んだ軸の入力状況を見ることができますから、ジョイスティックの割り当てたい軸をガチャガチャ動かしながら、反応するものを探すことになると思います。Output側はvJoyのどの軸に出力するかを選ぶことになります。このようにして軸変換の設定であるプラグインを必要なだけ追加していきます。
設定が終われば、最後に一番下のSave Settingsボタンをクリックして保存しておきます。

4.X-Planeで設定
X-Planeではジョイスティックの設定画面でvJoyからの入力を設定します。
vJoyは普通のジョイスティックとして認識されていますので、物理的なジョイスティックと同じように設定することができます。

vJoy+UCRを使うことで、私の操作環境は大きく改善されました。しかし、実は完璧ではなく、vJoyからの入力が確実にX-Planeに入力されない現象があります。特にジョイスティックを素早く操作した際に入力位置が反映されないことがあります。私が主にやっている大型旅客機の操縦では、ゆっくりとした操作しかしないので大きな問題ではありませんが、たまにうまく動作しないことがあります。

vJoyとUCRは汎用のソフトウェアですので、X-Planeに限らず、FSXやその他の用途にも有効です。

2018年3月6日火曜日

X-Plane11にZIBO B738-800 modifiedを追加して、デフォルトの737を大幅アップグレード

X-Plane11にデフォルトで収録されているBoeing737-800は、それ単体でもよくできた機体ですが、ZIBO B738-800 modifiedというのを追加すると、有料機体アドオン並みにアップグレードできます。
はじめから入っている状態ですと、オーバーヘッドパネルなんかで触ることができないスイッチが多いですが、ZIBO MODを入れると、多くのスイッチが作動するようになります。それは言い換えると、難しくなって、面倒くさくなるという意味でもあるのですが、どこまでリアルであるかや意味があるかはともかく、実際に操作できるというのは、フライトシミュレーター好きなら楽しいものです。
日々進化しているようで、ブラッシュアップが継続的になされているのも魅力的です。

ZIBO B738-800 modifiedを使うには、まず以下のページの説明を読み、
https://forums.x-plane.org/index.php?/forums/topic/138974-b737-800x-zibo-mod-info-installation-download-links/
DONATE LINK をクリックするとPayPal経由で寄付することができます。寄付しないとなにか制限があるわけではありませんが、使ってみて使いよいようなら少々寄付されてもいいと思います。

DOWNLOAD LINKS の LINK ZIBOmod B737-800X をクリックすると、Googleドライブのページが表示されるため、そこから B737-800X のzipファイルをダウンロードします。ファイルサイズが2GB程度あると思います。(もしもダウンロード数の制限によりダウンロードできないときは、右クリックして表示されるメニューから「コピーを作成」し、あなた自身のGoogleドライブからダウンロードしてください。)
(Googleドライブの画面はウェブブラウザ等により表示が異なることがあります。)

ダウンロードしたzipを展開して、B737-800X フォルダごと X-Plane11 フォルダ下にある Aircraft フォルダ中(X-Plane 11\Aircraft\)に移動します。

さらに FMOD by AudioBirdXP を同様にダウンロードします。
現在、FMODは上のzipファイルに同梱されていますので、別途ダウンロードは不要です。

ダウンロードしたファイルを展開して fmod フォルダを上で移動した B737-800X ファルダの中(X-Plane 11\Aircraft\B737-800X\)に移動します。
以上でインストール完了です。
上記のZIBO B738-800 modifiedのページの中に TerrainRadar by DrGluck と AviTab by Folko というリンクがありますが、地形レーダーとタブレットのプラグインです。必須ではありませんが、おすすめです。
Xchecklist by vin_KaiZen と TK Texture by Tom Knudsen は、チェックリストとコックピットや機体外観のテクスチャのようです。お好みでインストールしてください。

X-Plane11を起動すると、機体一覧の中に、新たにBoeing737-800Xが追加されています。

今まで触ることができなかったスイッチを触ることができるようになっています。
こうなると使い方が問題になりますが、マニュアルを見たりYouTubeの紹介動画を御覧になるといいと思います。ただし英語を理解できる必要があります。

2018年3月1日木曜日

FSXを卒業してPrepar3DとX-Planeどちらを買うか迷った結果

私は昔からパソコンのフライトシミュレーターが好きで、MicrosoftのFlight Simulatorでずっと遊んでいました。一時期はやめていたこともあるのですが、ここ2~3年はSteam版のFSXを購入し遊んでいました。特にVRヘッドマウントディスプレイのHTC Viveを購入して、FlyInsideというアドオンでのVR飛行体験は衝撃的でした。フライトシミュレーターにVRは絶対に欠かせないと確信しました。現状はヘッドマウントディスプレイの解像度が低いという問題がありますが、将来そこが解決されると、フライトシミュレーターにVRは必須になると思います。
FSXは2006年に発売されたソフトウェアです。すでに10年以上経過しており、世の中の環境はずいぶん進化しました。現在の水準で作り直したとすれば3Dグラフィックスなんかは見違えるはずですが、FSXはそうした状況に置いてけぼりです。そうかといって代替になるソフトウェアがない状態でした。X-Plane10も購入しましたが、ATCがまともに誘導してくなかったり、FMSにオートパイロットを任せると、とんでもない状態になったりと、完成度が低くて結局まったく使わなくなりました。それとは別にPrepar3DというFSXの改良版があるのですが、価格が2万円以上で、機能的にもFSXで事足りそうだったので、購入する気になりませんでした。
しかしその後、Prepar3Dがv4になり、ネイティブでVRに対応すると同時にパフォーマンスが大幅に改善しました。X-Planeも11になって、現在(2018年3月時点)ではベータ版ではあるもののネイティブでVR対応しています。
そのような世間の動きを見ていると、そろそろFSXを卒業する時ではないかと思いはじめ、Prepar3Dv4とX-Plane11、両ソフトウェアを検討した結果、今回はX-Plane11を購入してみることにしました。金額がPrepar3Dより大幅に安く、所詮はFSXベースであるPrepar3Dに比べて、大きな変化が期待できます。X-Plane11Steam版であればセールで安く買えることがありますが、待っているのはあまりにも時間の無駄なので、今は円高ということもあって本家ウェブサイトから購入しました。本家はダウンロードする際に夜の時間帯でかなり速度が遅くなりました。Steamはこれまで使ってきた限り、高速な回線を持っているようですので、そういう点ではSteam版でもいいと思います。

X-Planeで心配なのは完成度です。FSXはMicrosoftという超巨大企業が作ったものですから、ある程度の品質で作られています。X-Plane10は不安定であったり、作りこみが甘い点が見られました。しかもX-Plane11のVR対応はまだベータ版ですので、ますます心配です。
まだ、X-Plane11を購入して使いはじめたところなので何とも言えないですが、一週間ほど使ったところで、プログラムが落ちたことが2~3回ありました。若干使いにくいと思う部分もあります。ただ、現在進行形で作られているものですから、改善、改良は継続的に行われています。プラグインによるユーザーサイドからの補完もあります。つい先日もVR4というバージョンがリリースされ、重大な問題が発覚すると、24時間以内にVR5が緊急リリースされました。開発が完全に終了したFSXと比べると、まったく期待が持てます。
X-Plane11は、グラフィックスやサウンド等、FSX時代から大幅に進化しました。フレームレートが重視されるVRで使いたいので3Dグラフィックスのパフォーマンスが重要なのですが、非力なGTX970であっても私が使う分には問題ない性能です。FSXの時はタキシングで機体がドリフトするため、不自然で使っていて気分がよくなかったのですが、X-Planeになればそういう細かい点も異なります。
デフォルトで選択できるBoeing737-800という機体に、ZIBOというMODを追加すると、有料機体アドオンに匹敵するような機体にグレードアップできます。

しかし思うのは、Prepar3Dもそうかもしれませんが、X-Planeにおいても情報は海外が多いです。英語がある程度理解できると有利ですが、英語を見ただけで敬遠してしまうような人だと、最近のフライトシミュレーターを使いこなすのはちょっと大変かもしれません。