2014年2月21日金曜日

バギオからバナウェへKMS Linesバスで移動

フィリピンの避暑地バギオ(Baguio)から棚田で有名なバナウエ(Banaue)まで、バスで移動することができるのですが、情報がとても少ないようですのでここに記載しておくことにします。
バス会社はKMS(Kiangan Motor Service) LINESというところで、ローカルなバス会社なため予約システムや公式ホームページすらありません。唯一、facebookがあるのみです。
事前予約しようとするなら、そのfacebookからメッセージを送るか、facebookに記載の番号に電話をするか、あるいは直接窓口に行くしかありません。といってもたいていは予約なしで乗車できると思います。

2014年2月現在、バギオからバナウエには、朝8:00発と夜21:30(9:30PM)発の便があるようです。





KMSのターミナルの場所ですが、ほとんどなにも情報がないため観光客には分からないのではないかと思います。一番いいのはタクシーに乗って運転手に聞くことですが、だいたいの場所も分かっていないと、タクシーを使う距離なのかすら分かりません。タクシー運転者が場所を知らない可能性や英語が通じないこともありえます。

KMSのバギオのターミナルの正確な位置はこちらになります。
バギオのKMSターミナル位置
バーナムパーク(Bumham Park)の北西です。


こんな雰囲気のところで、この写真では道路の右にバーナムパークがあります。


 知らないと分かりにくいですが、この看板が目印です。


こちらのカウンターでチケットを購入します。

私は朝8:00の便を利用しましたが、途中3回のトイレ休憩を挟んで、バナウエには16時前に到着しました。


20人乗りのマイクロバスでした。

バナウエではBanaue Tourist Informationの前に到着します。
バナウエ到着地点
このすぐ東の坂を下ったところにバナウエのKMSのオフィスがあります。
バナウエのKMSターミナル位置


右側の小屋がKMS予約オフィス。
道の上の建物がBanaue Tourist Informationです。


バナウエのKMSオフィス


 この看板によるとバナウエ発、バギオ行に関しては、朝7:00発と夜18:00(6:00PM)発があるようです。

注意!
このページの情報は2014年2月時点のものですので、現地に着いてから電話で問い合わせて確認したり、計画修正に備える等、誤りや変更に対応できるようにしておくことをおすすめします。

2014年1月28日火曜日

フィリピン航空の座席指定方法

フィリピン航空(Philippine Airlines)のウェブサイトで航空券の予約ができるわけですが、座席指定の方法がちょっと分かりにくいので、こちらで紹介しておきます。

フィリピン航空のトップページ(http://jp.philippineairlines.com/)から出発地、到着地、日付等を選択して、検索するとフライトの選択ページが表示されます。

フライト選択ページ

ここでレギュラー・エコノミー等のクラスを選択した後、ページ下の「次へ>」をクリックします。
このページで「座席」と書かれた部分をクリックすると、

シートマップで空席を確認

このような座席の予約状況を確認できます。一見ここで座席指定できそうに見えますが、ここではまだ座席の予約はできません。空き状況だけ確認できます。

また、座席指定のできないバジェット・エコノミーを選択した場合は、当然、この後のページでも座席指定することはできません。

次の確認画面では利用規約に同意して次のページヘ進みます。

確認ページ

氏名、電話番号等、各種情報と支払い方法を入力した後、ページ一番下の灰色のボタン「座席を選択する」と書かれたところが座席指定するためのボタンです。

各種入力ページ

これが分かりにくくて見落としがちなので注意してください。
クリックすると座席指定のページが表示されます。

座席選択ページ

お好きなシートをクリックして指定してください。

万一、このウェブサイトで座席指定するのを忘れた場合は、フィリピン航空の東京支店等に電話すれば、座席を指定することができます。その際、予約番号(6桁のアルファベット)が必要ですので、予約時にメールで送られてきた「Your Booking Confirmation」で確認しておいてください。ただし、追加料金が必要な壁前の席や非常口座席を予約するには別途振込等で支払いが必要になります。

それでは、良い旅を楽しんできてください!

2014年1月27日月曜日

リカバリー領域が削除できない時、手動で削除する方法

VAIO duo 11のSSDにはリカバリー領域がありますが、これを削除して、その分空き領域を増やすことができます。やり方は簡単で、シャットダウンしてからキーボード手前にある「VAIO」マークの裏側にある「ASSIST」ボタンを押して、メニューを選んでいくだけです。具体的な手順はオフィシャルサイトにあります。
私のVAIOでこれをやってみたところ「リカバリーパーティションを削除」を選んだところで、「実行中にエラーが発生しました」「作業は完了していません。本機をシャットダウンし、再起動後にもう一度やり直してください。」「エラー:1116」というメッセージが表示されました。

「リカバリーパーティションを削除」を選ぶと
 
エラー1116になる

USBメディアでやってもDVDでやっても同じ結果になります。
SONY製のプログラムがやっていることなので、なにが原因でどうしたらいいのかまったく分かりません。しかたないので手動でリカバリーパーティションを削除することにしました。

私のVAIOは128GBのSSDなのですが、以下のようにパーティションが切られています。


このうち最後の2つ、363MBと13.44GBを削除し、(C)を後ろに拡張します。


1.デスクトップの左下角を右クリックして「コマンドプロンプト」を起動し、「diskpart」を起動します。

C:\>diskpart



Microsoft DiskPart バージョン 6.3.9600

Copyright (C) 1999-2013 Microsoft Corporation.
コンピューター: XXXXXXXX

DISKPART>


2.次にディスク番号を確認します。

DISKPART> list disk

  ディスク      状態           サイズ   空き   ダイナ GPT
  ###                                          ミック
  ------------  -------------  -------  -------  ---  ---
  ディスク 0    オンライン           119 GB      0 B        *


3.ディスク0を選択します。

DISKPART> select disk 0

ディスク 0 が選択されました。


4.パーティションを調べます。

DISKPART> list partition

  Partition ###  Type                Size     Offset
  -------------  ------------------  -------  -------
  Partition 1    OEM                260 MB  1024 KB
  Partition 2    回復                1474 MB   261 MB
  Partition 3    システム               260 MB  1735 MB
  Partition 4    予約                 128 MB  1995 MB
  Partition 5    プライマリ              103 GB  2123 MB
  Partition 6    回復                 363 MB   105 GB
  Partition 7    回復                  13 GB   105 GB


5.始めに6番目のパーティションから削除しますので、6番目のパーティションを選択します。

DISKPART> select partition 6

パーティション 6 が選択されました。


6.選択した6番目のパーティションを削除します。

DISKPART> delete partition override

DiskPart は選択されたパーティションを正常に削除しました。


7.6番目のパーティションが削除されているか確認します。

DISKPART> list partition

  Partition ###  Type                Size     Offset
  -------------  ------------------  -------  -------
  Partition 1    OEM                260 MB  1024 KB
  Partition 2    回復                1474 MB   261 MB
  Partition 3    システム               260 MB  1735 MB
  Partition 4    予約                 128 MB  1995 MB
  Partition 5    プライマリ              103 GB  2123 MB
  Partition 7    回復                  13 GB   105 GB


8.最後のパーティションを選択します。

DISKPART> select partition 7

パーティション 7 が選択されました。


9.これも削除します。

DISKPART> delete partition override

DiskPart は選択されたパーティションを正常に削除しました。


10.最後の2つのパーティションがきれいさっぱり消えました。

DISKPART> list partition

  Partition ###  Type                Size     Offset
  -------------  ------------------  -------  -------
  Partition 1    OEM                260 MB  1024 KB
  Partition 2    回復                1474 MB   261 MB
  Partition 3    システム               260 MB  1735 MB
  Partition 4    予約                 128 MB  1995 MB
  Partition 5    プライマリ              103 GB  2123 MB


11.5番目のパーティンを拡張するために、それを選択します。

DISKPART> select partition 5

パーティション 5 が選択されました。


12.目一杯拡張します。

DISKPART> extend

DiskPart はボリュームを正常に拡張しました。


13.DISKPARTを終了します。

DISKPART> exit


ディスクの管理で確認するとパーティンが103.37GBから117.17GBに13.8GB増加しています。
もともと少ない128GBのSSDですので13.8GBとは言え貴重です。

標準のパーティションの削除で、どうしてもうまくいかない時は、このように手動で削除する方法もありますが、バックアップを取るなどして自己責任でお試しください。

2014年1月22日水曜日

労働基準法だけでない年次有給休暇 取得時期と頻度問題や買取、拒否

有給休暇は取得を辞退するのが当たり前?

法律によって定められた年次有給休暇という制度は会社や会社経営者にとって邪魔なものとして感じられることがあります。
特によくある勘違いが、「有給休暇は会社を休んでいるのに給料をもらえる」という発想です。実際には、休んでいる日の給料は、勤務している間に稼いでいます。会社は、この法律があるのは分かっているのですから、労働者が休むことを踏まえて全体的な報酬を考えておかなければなりません。
以前の記事でも書きましたように、有給休暇というのは勤務した実績に基づいて付与されるもので、後払いしている格好になっています。会社は当然に有給休暇分を加味した上で勤務させているのですから、勤務した後に有給休暇を取得することで会社が損をすることはありえません。
しかし、労働者は有給休暇を受け取ることなく自らの意思で取得を辞退することも可能です。会社経営者は労働者が有給休暇の取得を辞退することを期待できても、当然と考えることはできません。むしろ有給休暇を取得されるのが当然で、あわよくば辞退されることもありえるといった程度の認識になるでしょう。

有給休暇を取得する時に会社が文句をいう方法

年次有給休暇という制度は法律によって強力に保障された制度です。この制度が正常に運営されているかぎり、労働者による有給休暇の取得申請に際し、会社が言うセリフは何もありません。よほどなにか特別な事情があるときであれば、取得時期の変更を相談するようなことがあるかもしれませんが、それはまれです。そうそう頻繁にあったのでは、有給休暇の取得しやすさという会社の体制に不備があるのではないかと疑いたくなります。

有給休暇の取得頻度も関係がありません。
時々、会社経営者や管理職から有給休暇取得者に対して「先週、有給休暇を取得したのに、また今週も取得するのか」なんて言葉が聞かれることがあります。このようなセリフが有給休暇制度をきちんと理解している人から、聞けることはありません。
労働者は付与された日数のうち、まとめてとっても、バラバラにとっても構いませんし、取得時期が集中しても構いません。
ある月に有給休暇を一週間取得し、同じ月にまた一週間の有給休暇を取得するとしても、それ自体にはなんら問題はありません。むしろ、あんまり有給休暇を集中して消費しすぎると、他の時期に取得する分がなくなるのではないかと心配するくらいです。
自由に取得できる有給休暇の取得の頻度に対して、会社が何かいう筋合いはありません。2年の時効ギリギリになって、どうにもならなくなってから無理矢理取られるよりは、取れるときにどんどん取ってもらっておいたほうがありがたいことです。

有給休暇を取得する際に、会社や管理職者が何か言うというのは、その行為自体が有給休暇の取得しやすさを阻害します。会社が有給休暇の取得に対して不満の言葉を発したとしても、正しく有給休暇制度を理解していなかったり、有給休暇取得を辞退してくれる期待に答えないことへの不満によることが多いと思います。何か言ったからといって、最終的に有給休暇の取得に影響を与えることはありませんが、それがプレッシャーとなり、有給休暇の取得を申し出にくくします。
仮に会社や管理職者が有給休暇制度を正しく理解していたとしても、それでもなお、有給休暇取得を辞退する雰囲気になることを望む会社もあります。それはもちろん、その分の労働時間を稼ぐことができるからです。そのような会社の意図が念頭にある労働者は動じることがありません。

年次有給休暇の買い取りは、苛立たしい年次有給休暇を闇に消し去ることができる

取得できていない年次有給休暇を会社が買い取ることができる制度を設けている会社があります。
有給休暇を正常に取得できるように運営されており、ほとんどの人が完全に消化していて、それでも時効を迎えた残日数を買い取る形にすることで、取得しきれなかった人の不公平感を和らげられるような目的で導入するのであれば、有効に機能するかもしれません。
しかし、法的に認められていることではありません。特に労働者側が望んでいないとき、会社が買い取ることはできません。
買い取り制度を法的に認めるようにしてはどうかという意見もありますが、普通に考えて、年次有給休暇買い取りを認めると、会社が悪用するのは目に見えています。会社は買い取ることで日数を減らせ、有給休暇を与える必要がないと解釈します。買い取り費用は給与や賞与とともに人件費の総額として折り込む(年次有給休暇の買い取り費用分、給与や賞与を目減りさせる)ため、会社にとって別途費用がかかるという意識はありません。
たとえ労働者の同意がなければ買い取れないと法律で規定したとしても、人事権を持つ会社からの無言の圧力があっては、従業員は腹の中で不満に思いながらも、しぶしぶ買い取り希望の申請書を会社に提出することになるでしょう。

法律だけでなく、本当のところで考える必要がある

本音や実態に則した視点で考えた時、年次有給休暇制度には根深い問題があります。
会社、経営者、管理職者の意識と、なによりも一番分かっていないと思われる労働者自身の意識が変わっていかないと、年次有給休暇制度が気持よく運用できる社会にはならないのではないかと思います。

2014年1月9日木曜日

有給休暇に関してはまだまだブラック企業だらけ

年次有給休暇という制度があるのをご存知でしょうか。
私は株式市場というところに上場している会社に勤めているのですが、先日海外旅行のために長めの有給休暇を申請したところ、少々上の方から呼び出しをくらいました。
有給休暇という制度が法的にどういったものであるかというのはある程度存じているつもりでして、どのように言われようが最終的に有給休暇を取得できることは分かっているのですが、海外旅行ともなると航空券や宿泊施設の予約等、キャンセル時に違約金が発生したり、事前に必要となる物を購入しておいたりしなければならず、万一中止になった場合、損失がでますし、手間をかけて計画したものがオジャンになるようなことがあれば精神的にもダメージがあります。
世の中、まだ有給休暇という制度に労使とも無理解なケースもあるようですので、万全を記すため、有休申請には長めの期間的猶予と、少し上の上司への根回しをしてから行いました。とは言え、実際には今どきさすがになにか言ってくることはないだろうと思っていたのですが、予想に反し呼び出しがあったわけです。
年次有給休暇という制度に対して、根強く勘違いが浸透しているということだと思います。

有給休暇はもらえるのではなく、返してもらう

年次有給休暇は全労働日数の8割以上出勤している場合に、規定された全日数が付与されます。8割未満の場合は、その割合に応じた日数となります。
これの意味するところは、出勤したという実績があってはじめて有給休暇を取得できるということです。勤務もせずに有給休暇を取得できません。勤務期間中に有給休暇分の報酬が含まれていて、後払いでその分を有給休暇取得時効である2年以内に受け取っているという格好になっています。
勤務したにもかかわらず有給休暇を取得しないということは、勤務中に稼いた有給休暇という報酬を受け取っていないことになり、万一会社が有給休暇という報酬を支払わないことがあるとすれば、給料を支払っていないことと等しいとまでは言わないまでも、それに通じるものがあります。

法律により年次有給休暇という制度が定められている以上、会社はそれを前提に経営しなければなりません。したがって、有給休暇分の余剰を加味した上で、人員や給与を設定し、有給休暇を正常に与えられるように備えておかなければなりません。それにより、仮に従業員が誰も有給休暇を取得しない場合よりも結果的に従業員の給与が全体的に減少することになるとしても、法律がそのようになっている以上どうしようもありません。有給休暇を取得する者を狙い撃ちして不利益な取り扱いをすることは禁じられていますから、給与は有給休暇未取得者を含め全従業員平均的に調整することになります。平均給与を減らせば、従業員募集時に表記する条件が悪化し、従業員そのものの定着率や就労意欲の低下を招く恐れがありますから、バランスが求められます。
会社経営者にとって難しい部分ではありますが、日本中すべての会社がそのようなルールのもとに公正な競争をしています。
抜け駆けをする会社が出て、正直な会社だけが損をすることがないように、労働基準監督署にはきっちり取り締まっていただかなければなりませんし、労使とも有給休暇という制度を理解して正常に運用することが重要になるわけです。

有給休暇を取得すると他の人に迷惑がかかる?

有給休暇というのは、労働者の指定した時期に自由に取得できます。連続して取得しても、分割して取得しても構いません。
しかし、労働者の中には有給休暇を取得すると、その分の仕事が他の人に回ることを迷惑に感じる人がいます。

有給休暇というのはすべての労働者に公平に与えられた権利ですが、そのような権利があるのは、労働だけの毎日ではなく、時に家族や友人と過ごしたり、レジャーに出かける等して、疲れやストレスを癒やし、文化的な生活を営んで幸福な人生を過ごすために法律として整備されています。
雇用関係上、労使間では労働者が弱い立場にある場合が多く、法律で定めることで労働者主体の休暇制度をすべての人に強制しているのです。その結果、会社は有給休暇という制度が存在することを前提に経営せざるを得なくなりますし、労働者側についても、すべての労働者が有給休暇を取得する可能性があることを心得ておかなければならないように仕組まれています。
実質的に有給休暇の取得を阻害することはできません。なにかの理由をつけて有給休暇の取得を妨害できることがあれば、この法律は単なるザル法になり下がり、事実上、労働者は会社の定めた休日以外で休暇を取ることが困難な状態になります。それでは人生の大半において旅行すら難しい環境で生きていかなければなりません。
日本に生まれ、日本に生きる以上、休む自由などなく、働けるときは働け、といった社会では、機械でない意思をもった人間が労働の担い手である以上、いずれうまく回らなくなるのは目に見えています。
人間というのは目先のことだけを考えがちですが、労働者全員や社会全体の利益を考えた時、有給休暇は必要なものなのです。

先に書きましたように有給休暇は、一定の期間勤務した後、付与されます。これを使うなというのは、勤務期間中に稼いだはずの有給休暇という報酬を受け取るなと言っているようなものです。会社は全従業員が有給休暇を取得することを前提に経営しているのですから、基本的には有給休暇が取得できないという理由はありえません。
労働者の立場についてもそれと同じであり、有給休暇取得者がいることで仕事の配分に問題が出るというのは、有給休暇取得が障害になる理由にはなりません。
有給休暇の取得はお互い様であり、日頃からの仕事の進め方も有給休暇の取得があることを前提に考えておかなければなりません。いざ誰かが有給休暇を取得したいというとき、不都合が生じるということでは、そもそも有給休暇に対する備えができていないことになります。
こうした、労働者の有給休暇に対する意識が、有給休暇の取得をためらわせる原因になっており、労働者同士で首を絞めあっている構図を作っています。

会社に時期変更権は事実上ない

よく勘違いされていることの一つに、会社は有給休暇を拒否することはできないが、取得する時期を変更できる権利があるというものです。

まず、有給休暇を取得する時期を指定する権利は労働者にあります。
同じ時期に他に有給休暇を取得する者がいたり、代替要員を確保することが困難な場合等、客観的に見て回避のしようがない事情がある場合に、時期変更がやむを得ないと認められることがあります。ただし、単に忙しいというだけでは、時期の変更は認められません。忙しいという理由を認めると、会社の都合によって事実上有給休暇の取得を困難にすることが可能になりかねません。会社は人手が必要だから人を雇っているのであって、忙しいのは当たり前です。忙しいとしても有給休暇が取れる分は確保しておかなければならないというのが、制度の求めるところになります。しかし、実際の経営の立場としてはいろいろな事情もあります。ですから、一時的な繁忙期等の客観的なやむを得ない理由があれば認められることもあるかもしれません。そうではなく、常態的に忙しくてはじめから有給休暇のことを考えていないというのでは、法律違反をしなければ成立できない前提で会社を運営していることになります。

むしろ、会社に時季変更権はないと言ってもいいくらいで、会社が望む望まないにかかわらず、時季変更せざるを得ないという状況で行われるものです。
会社が日頃から有給休暇を与えるための準備をしていて、実際に有給休暇を与えたいのだが、経営者都合でない第三者から見ても仕方がない場合に、やむを得ず、時期をずらすというようなケースです。
会社は自由に有給休暇の時期を変更できる権利があるかのように誤解をされていることがありますが、現実に時季変更権を適用するためには、同時期に有給休暇を取得する労働者の割合や、代替要員確保の困難さ等を示す必要があり、実質的に時季変更権を使うようなことはほとんどありえません。

計画的付与に労働者側のメリットはない

年次有給休暇の計画的付与という制度があります。通常、有給休暇を取得する時期というのは労働者が一方的に指定するものですが、全有休日数のうち5日を超える分については、会社側であらかじめ時期を指定できるというものです。

これを行うには、労働者の過半数で組織される労働組合か労働者の過半数に選任された労働者を代表する者と書面による協定を結び、それを労働基準監督署に届け出る必要があります。

労働者が自由に指定できる取得時期を、あえてあらかじめ指定しておくことに労働者側のメリットはありません。仮に指定されている時期に取得したいことがあったとしても、労働者自ら有給休暇の時期を指定すればよいだけのことです。
年次有給休暇の取得率を上げることを目的に作られた制度のようですが、有給休暇を強制的に取らせるのではなく、自由に取れる環境や雰囲気を作らなければ、有給休暇制度の意味がありません。

実際には、計画的付与は、経営者にとって頭の痛い有給休暇制度を、会社側都合でコントロールするための裏技として悪用されていることが多いです。
正月休みや盆休み等、実質的には会社の休業日であるにもかかわらず有給休暇の計画的付与扱いにしたり、会社の閑散期に限定して有給休暇を取らせるような運用がされていたりします。
そのような会社の場合、労働者の過半数代表も会社の主導で会社の圧力のもと選任されていることが多く、過半数代表者の存在も抑止力として機能していません。
過半数代表者は投票や挙手等による民主的な方法で選出しなければならないとされていますから、形式的にはそのようにしますし、会社が投票用紙を用意することもあります。悪質なところでは投票用紙というよりは同意書のようなものになっていたりさえします。
しかし、労働者側にとって積極的に労働者の過半数代表になりたいという人は少ないでしょうし、なにより会社にとって都合のよい過半数代表者を選出しなければ会社にとってよろしくありません。
その結果、会社は、明に、あるいは暗に過半数代表者を指定してしまい、必然的に労働者がそれを投票するよう先導し、表面的には民主的な体裁で選出させます。

経営者の理解と、労働者側の意思改革が必要

年次有給休暇は会社経営者にとって忌み嫌うものとして認識され、それを法律という強制力で押さえています。会社経営者はどうにかして合法的か、グレーな方法を使ってでも労働者に有給休暇を自由に使わせない手はないかと悩まなければならない不幸な状態になっています。
有給休暇が単なる邪魔な物としてしか見えず、妨害ばかり画策しているような会社では、黙っている従業員の腹の中はご想像の通りでしょう。
会社経営者の意識はそうそう変わるものではないからこそ、強力な法律が制定されているのですが、法律による強制力ではなく、制度の趣旨を理解して有給休暇を含めた会社運営をしていくことが望ましいのです。

しかし、実は有給休暇が取りづらい環境になっている最大の原因は、労働者側の意識が大きいです。会社の経営者とはいえ一人の人間であり、そうそう悪人ではありません。従業員の意向や社会的要請に逆らってまで、会社をブラックに経営していくのは難しいことでしょう。

労働者が有給休暇に対して抱いている「休むのに給料をもらっている」というような思い違いを解消し、有給休暇が給与や賞与と同様に働いた対価として、当然に受け取るものと考えるようにならなければ、有給休暇が真に活用されるようにはならないでしょう。

2013年12月5日木曜日

オンライン英会話のフリートークが怖い英会話初心者

英会話をまったくやったことがない人が、オンライン英会話でいきなり自由な会話、フリートークができるものでしょうか?
もちろんできるわけがありません。
それは英会話に限らずどんなことでも同じです。スポーツや仕事、趣味であっても、何か挑戦するとき、はじめからできるわけがありません。簡単にできることなら、挑戦する必要も価値もありません。できる、できないということを考えすらしません。

英会話をやって最初に困るのが、リスニングです。
会話以前に、そもそも相手が何を言っているのかすら分かりません。
部分的に聞き取れる単語、言葉のイントネーション、表情、身振り手振り、状況からの推察、何度もゆっくり繰り返してもらって、言い換えをしてもらい、それでも無理なことがあるかもしれません。
リスニングのできない初期のころは、相手の言っていることを理解するために、ものすごい集中力を使います。
今、私は、楽になってきているので、椅子にのけぞりながらオンライン英会話を受けていますが、はじめたころの数ヶ月は、眉毛の間にシワを作って、画面に顔をくっつけるほど前のめりでした。
相手の言っていることと見当違いの答えを返すことや、言葉が出てこずだんまりになることもあります。しかし、三ヶ月もすれば、徐々に理解できるようになってきます。

だけど英語で話せないのに、どうすればいいの?

英語ができない人がいきなりオンライン英会話のスカイプの前に放り出されて、講師からHow are you?と聞かれ、ただ焦ってアワアワアワ・・・としか言えなかったとしても・・・・・・・OKなのです。
英語ができないからやっているのであって、仕方ありません。恥ずかしいことでもありません。
答えられなければ講師の方から、fine?、good?とか答えを聞いてくるかもしれません。
現実は映画やドラマのように、メキメキと英語が上達するわけがありません。
こういう初期の過程を経ずして、その先が来るはずはありません。

オンライン英会話をこれから始める人は英会話ができないことに躊躇するのではないかと思います。最初の階段の一段目が異様に高い状態なのですが、なだらかに、ソフトに、痛みなく、英会話をスタートしたいと望むかもしれません。
もしも英会話ができたとすれば、その先に興味深い世界が待っているかもしれません。新しいことへの挑戦というのは、不安でもありますが、ドキドキ、ワクワクすることでもあります。
一番最初の挑戦は、最初にしか味わえません。考えようによってはとてもエキサイティングなことです。

今、オンライン英会話は活気のある時期です。オンライン英会話業界も数年先はどうなっているか分かりません。もじもじしている間にも歳だけはとっていきます。今したいと思うことは、今しておくべきです。何も待つ理由はありません。

英会話は死ぬまで失敗の繰り返し

英会話をする上で、失敗はつきものです。その回数というのは数回とか数十回という単位ではありません。会話をするたびに失敗をし、数えきれないくらい失敗をします。
失敗してはダメだというのでは、英会話はできません。
この点、子供は有利です。失敗して恥をかくことを恐れません。格好をつけず、正直で、プライドも高くありません。
優秀な講師なら、英語を話すのをためらっていると、ずばり「間違ってもいいから、話せ」と言ってくれます。

オンライン英会話の生徒は、生徒であると同時にお客さんです。
生徒は教えられる立場なので、できなくて当たり前。しかもお客さんなので、講師は丁寧に対応しなければなりません。
講師にとっては忍耐が要りますが、それが彼らの仕事であり、その姿勢が、生徒の英会話向上を助けているのです。

英会話は学校の勉強ではない

日本人の感覚で英語と言えば、中学、高校の英語の授業を想像するのではないかと思います。
中学、高校で習った英語は確かに英語であり、その教育に対し一概に否定できるものではありません。
しかし、英会話という捉え方では、残念ながらあまり実践的とはいえないように思います。

日本人(と、実は講師も)は、オンライン英会話においても、学校の授業と同じように捉えているような気がします。
会話ではなくテキスト重視。アーティクル(インターネット記事を題材にした学習法)をやっても、単語の意味や発音の勉強中心になりがちです。
特に、文法を理解することが英会話をできることだと信じて止まない人もおられるのではないかとすら思います。
文法は不要だとは決して言っていません。ですが、文法だけやっても意味がありません。確かに文法は英会話を強力に助けます。しかし文法だけで会話ができるようにはなりません。

私は文法や語彙の勉強を、継続的にすることをおすすめします。でもそれ以上に会話練習することをおすすめします。
その割合は1:9くらいで会話を中心に置くのがいいのではないかと思います。1時間やるなら、小難しい勉強は5分程度で十分です。残りは英会話を楽しんでください。
仮に今、助動詞canを勉強したとします。おそらくcanはどういう時に使うのか、疑問文の作り方、否定文の作り方を習い、canを使ってセンテンスをいくつか作るようなトレーニングをするかもしれません。それで、その瞬間から今後、助動詞canが使えるようになったかと言えば、そうは問屋がおろしません。使わなければどうせ忘れます。翌日や一週間後ならまだ覚えているかもしれません。一月経ってから、canは何だったかと問われて、言われてみれば思い出すかもしれないような状態をcanが使えているとは言いません。
実際はcanだけではありません。willやshould、may等、助動詞はいろいろありますし、文法は助動詞だけの話ではありません。語彙やイディオムやら覚えることはたくさんあります。それらを馴染ませていくには、頻繁に使っていくことが必要なのです。
ですから一日に学習する文法や語彙はわずかでよく、それでも日々積み重なっていくとなれば分量も日増しに増えていきます。ずっと前に学習したことを忘れないようさらに定着させ、新しく学んだことは新たに定着させていかなければなりません。それでも忘れることは避けられないでしょうから、再度、文法や語彙を学習しなおす機会も必要です。

会話に必要な能力を習得、維持するためには、大量の会話をして使う機会を多くし、馴染ませていかなければなりません。
幸い、オンライン英会話は楽しいです。笑いだけでなく、講師に腹をたてたり、病気や退職等、悲しいこともありますが、そういうことも含めて、オンライン英会話は楽しいのだろうと思います。
オンライン英会話は会話練習にうってつけなのです。

初心者のフリートーク

フリートークは楽しいのかもしれないが、そもそも初心者は英語で会話できないではないか。という声があるかもしれません。
これは勘違いだと思います。程度にもよりますが、実は単発の単語だけでも英会話はできます。そんなのでいいのかと言えば、いいと思います。単語しか出てこないような時期は最初の数ヶ月です。最初の数ヶ月は度胸や慣れを作る期間です。むしろちょうどいいのです。

フリートークだけやっていればいいのか?

私はフリートークという英会話の学習方法がパーフェクトとは考えていません。
フリートークだけでは、知っている言い回しや単語しか使えません。フリートーク中に講師がせいぜいひとつかふたつ程度、何か新しいことを教えてくれるかもしれませんが、それでは不足するかもしれません。
とはいえ、語彙や文法の勉強は、独学や他の学習教材でもできます。書籍をあたるのも良い方法ですが、今の時代、親切なウェブサイトが無料で解説しています。映像や音声で教えて欲しければYouTubeに動画があります。
オンライン英会話はアウトプットの機会であり、実践に近い英会話の練習場として活用するのが一番効果的であると同時に、これほどのものは他にありません。

文法をオンライン英会話で習うのは、ひょっとすると現役の中高生には多少意味があるかもしれません。
しかし、オンライン英会話で文法を習うということは文法解説そのものも英語です。
例えば、be動詞は主語によって変化しますが、生徒がなぜそのようになっているのか疑問を持ったとしても、be動詞の変化を習っているような生徒が、まずそれを英語で講師に訴えることが難しいでしょうし、英語で解説されて理解できるとも思えません。
日本語で言ってもらえればあっけないことでも、英語で理解するのは大変です。

そのようなわけで、オンライン英会話による文法解説は、文法を理解するものとしては、効率的ではないかもしれませんから、オンライン英会話はフリートーク中心としても、それ以外に軽く補足的な学習をしておくのは良いと思います。

オンライン カランメソッド効果で本当に4倍速く英会話が身につく?

カランメソッドの宣伝文句のひとつに「通常のレッスンと比較して、生徒が話す時間が4倍多い。だから4倍速く英会話が身につく」というのがあります。
その「話す」というのが何を意味しているかというのがありますが、少なくともカランメソッドは、実際の英会話ではありません。講師の言ったことをそのまま反復したり、カランメソッド用の定型的な文を口から発します。それは実際のコミュニケーションの言葉ではありませんから、ニュアンス的には「話す」というより、「口から英語を発する」という言い方がふさわしいように思います。
たとえ現実的な会話でないとしても、とにかく英語を口から発するということは、英会話の上達において効果がないわけではありません。特になめらかな英語の発音トレーニングにはなるように思います。

ただ、英会話学習者が何を求めるかという観点で考えると、カランメソッドがそれに期待できるものなのかは疑問があります。
英会話というのは口から英語を発している行為ではあります。しかし、口を動かすという表面的に分かりやすい物理的現象だけで成立しているものではありません。脳が言葉や発すべき音を考えだし、口はアウトプットのためのスピーカーを担っています。言葉を作り出している中核にあるのは脳の働きです。
口を4倍の時間動かすというのは、明確で分かりやすい話ですから、英会話というのをよくご存知ない方にとって、意味を取り違える危険性があるのではないかと思っています。

英会話に必要な脳の働きとは何でしょうか?
語彙、文章作成力、瞬発力・・・
そうした能力は必要ですが一部分でしかないと思います。これもまた、そういう分かりやすいものだけではありません。
例えば、口を動かすのと同時進行で次に言う言葉を考える能力、適切なニュアンスを持つ表現の選択、感情を込めた表現、相手の言いたいことの理解、相手の言った言葉を受けた上での適切な言葉の選択、言葉とシンクロした顔の表情、相槌・・・
コミュニケーションとしての英会話では、すべてを列挙するのが困難なほど多様なノウハウを駆使しています。英会話に必要な個別の技能すべてを体系的に整理して列挙することができるものなのか私には分かりませんが、できるとしても英語で会話している過程を頭のいい誰かがそれ相応の時間をかけて学術的に分析しなければできないような気がします。
しかし、実は英会話を習得するために、そうした要素を列挙する必要はありません。
なぜなら、実際に英会話を行えばよいからです。英会話をするということは、英会話に必要なすべての要素を鍛えることそのものです。カランメソッドでは、英会話をしていないのですから、英会話に必要な部分を網羅していないのは当然と言えば当然です。

カランメソッドというのは、英会話をトータルで練習できるものではなく、英会話に必要な一部の能力のみを集中的に鍛えるものであり、スポーツで言えば、素振りやウェイトトレーニングに相当します。ファッション的な意味で体に筋肉をつけることが目的なら別ですが、競技の実践の場を想定した筋力強化であれば、筋肉だけつけることは、目的と手段を取り違えています。
カランメソッドで鍛えられる部分を鍛えるのは結構なことだと思います。
しかし、いくらそういうことをやっていても、いつまでたっても英会話はできるようになりません。

要するに私が強調したいのは、カランメソッドをすれば、英会話ができるようになる。という非現実的な勘違いをしがちなので、そこを留意しておいてはどうかということです。
カランメソッドをしたい方や、今されている方には、それを全面否定はしませんが、効果が限定的かもしれないということと、固執し過ぎず、時には柔軟に考えてみることをおすすめします。