2014年1月22日水曜日

労働基準法だけでない年次有給休暇 取得時期と頻度問題や買取、拒否

有給休暇は取得を辞退するのが当たり前?

法律によって定められた年次有給休暇という制度は会社や会社経営者にとって邪魔なものとして感じられることがあります。
特によくある勘違いが、「有給休暇は会社を休んでいるのに給料をもらえる」という発想です。実際には、休んでいる日の給料は、勤務している間に稼いでいます。会社は、この法律があるのは分かっているのですから、労働者が休むことを踏まえて全体的な報酬を考えておかなければなりません。
以前の記事でも書きましたように、有給休暇というのは勤務した実績に基づいて付与されるもので、後払いしている格好になっています。会社は当然に有給休暇分を加味した上で勤務させているのですから、勤務した後に有給休暇を取得することで会社が損をすることはありえません。
しかし、労働者は有給休暇を受け取ることなく自らの意思で取得を辞退することも可能です。会社経営者は労働者が有給休暇の取得を辞退することを期待できても、当然と考えることはできません。むしろ有給休暇を取得されるのが当然で、あわよくば辞退されることもありえるといった程度の認識になるでしょう。

有給休暇を取得する時に会社が文句をいう方法

年次有給休暇という制度は法律によって強力に保障された制度です。この制度が正常に運営されているかぎり、労働者による有給休暇の取得申請に際し、会社が言うセリフは何もありません。よほどなにか特別な事情があるときであれば、取得時期の変更を相談するようなことがあるかもしれませんが、それはまれです。そうそう頻繁にあったのでは、有給休暇の取得しやすさという会社の体制に不備があるのではないかと疑いたくなります。

有給休暇の取得頻度も関係がありません。
時々、会社経営者や管理職から有給休暇取得者に対して「先週、有給休暇を取得したのに、また今週も取得するのか」なんて言葉が聞かれることがあります。このようなセリフが有給休暇制度をきちんと理解している人から、聞けることはありません。
労働者は付与された日数のうち、まとめてとっても、バラバラにとっても構いませんし、取得時期が集中しても構いません。
ある月に有給休暇を一週間取得し、同じ月にまた一週間の有給休暇を取得するとしても、それ自体にはなんら問題はありません。むしろ、あんまり有給休暇を集中して消費しすぎると、他の時期に取得する分がなくなるのではないかと心配するくらいです。
自由に取得できる有給休暇の取得の頻度に対して、会社が何かいう筋合いはありません。2年の時効ギリギリになって、どうにもならなくなってから無理矢理取られるよりは、取れるときにどんどん取ってもらっておいたほうがありがたいことです。

有給休暇を取得する際に、会社や管理職者が何か言うというのは、その行為自体が有給休暇の取得しやすさを阻害します。会社が有給休暇の取得に対して不満の言葉を発したとしても、正しく有給休暇制度を理解していなかったり、有給休暇取得を辞退してくれる期待に答えないことへの不満によることが多いと思います。何か言ったからといって、最終的に有給休暇の取得に影響を与えることはありませんが、それがプレッシャーとなり、有給休暇の取得を申し出にくくします。
仮に会社や管理職者が有給休暇制度を正しく理解していたとしても、それでもなお、有給休暇取得を辞退する雰囲気になることを望む会社もあります。それはもちろん、その分の労働時間を稼ぐことができるからです。そのような会社の意図が念頭にある労働者は動じることがありません。

年次有給休暇の買い取りは、苛立たしい年次有給休暇を闇に消し去ることができる

取得できていない年次有給休暇を会社が買い取ることができる制度を設けている会社があります。
有給休暇を正常に取得できるように運営されており、ほとんどの人が完全に消化していて、それでも時効を迎えた残日数を買い取る形にすることで、取得しきれなかった人の不公平感を和らげられるような目的で導入するのであれば、有効に機能するかもしれません。
しかし、法的に認められていることではありません。特に労働者側が望んでいないとき、会社が買い取ることはできません。
買い取り制度を法的に認めるようにしてはどうかという意見もありますが、普通に考えて、年次有給休暇買い取りを認めると、会社が悪用するのは目に見えています。会社は買い取ることで日数を減らせ、有給休暇を与える必要がないと解釈します。買い取り費用は給与や賞与とともに人件費の総額として折り込む(年次有給休暇の買い取り費用分、給与や賞与を目減りさせる)ため、会社にとって別途費用がかかるという意識はありません。
たとえ労働者の同意がなければ買い取れないと法律で規定したとしても、人事権を持つ会社からの無言の圧力があっては、従業員は腹の中で不満に思いながらも、しぶしぶ買い取り希望の申請書を会社に提出することになるでしょう。

法律だけでなく、本当のところで考える必要がある

本音や実態に則した視点で考えた時、年次有給休暇制度には根深い問題があります。
会社、経営者、管理職者の意識と、なによりも一番分かっていないと思われる労働者自身の意識が変わっていかないと、年次有給休暇制度が気持よく運用できる社会にはならないのではないかと思います。

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