2019年6月12日水曜日

引きこもりの心理を理解した対策 原因の核心は・・・

川崎で、通学中の子供や公務員の男性が、包丁を持った人に刺されて亡くなる事件がありました。また、元農水省の次官が、その息子を殺す事件がありました。
川崎の事件では殺人を犯した人が引きこもりのような状態で、農水次官の件は息子が引きこもりのような状態でした。
川崎の事件では、事件をおこした本人によると、食事や洗濯を自分でしているのだから引きこもりと呼ばれるものではないというようなことを言っていたようです。「引きこもり」という言葉の定義は置いておいて、それに類する状態であったということには変わりがないようです。少なくとも、自分の労働で収入を得て、自立した生活を送ってはいなかったようです。
ここでは、引きこもりの人が事件を起こす、起こさないという話ではなく、引きこもりの人がなぜ引きこもりから脱せないのかを考えてみたいと思います。

私自身は引きこもりという状態ではなく、会社員という立場で、毎日会社に出勤し、その収入で生活を維持しています。自分に必要な費用を自分で得ているという意味で、完全に自己完結しており、独立性があります。この独立しているということが、人として理想であると思います。
洗濯や食事(の用意?食べること?)といった家事も重労働であり、大変ではありますが、それよりも難しいことは、収入を得るということです。これをしていない人というのは、一番辛くて、大変で、肝心なところが抜けているため、私から見ると、認めづらいところがあります。
逆に、仮に引きこもり同然の生活をしていたとしても、収入を自力で得て、自分に必要なものをすべて自分で賄っているのであれば、問題を感じません。

引きこもりの方が、なぜはじめに引きこもってしまったかと言えば、それで問題がなかったからではないかと思います。まず、住む場所や食べるものが提供されなければ、引きこもりは成立しません。それらが無償提供されるので、とりあえずは働く必要がありません。働くのはとても面倒くさいことですから、最初はそれから逃げられる状態に甘んじるのではないかと思います。
そして、一度その状態に入ってしまうと、抜け出すのが難しくなってきます。
就職しようとしても、履歴書に書く内容に困り、面接では当然その空白期間を指摘されます。職業経験が乏しいため、就職先の選択肢は限られ、その年齢の平均に達する給料は期待できません。不利な就職活動が予想でき、その過程ではいやな思いをすることもありそうです。
長期間引きこもりを続けるほど、そうした悩みが深刻になってきます。
しかし、私を含め、社会で活動されている一般の方から見ると、そのようなものは突破可能で、致命的な問題ではないと考えるのではないかと思います。何も大企業の正社員にならなくても構いませんし、世間ではそうでない人の方が多数です。簡単なアルバイトからはじめればいいのです。それによって、引きこもりであったということが、なんでもないということに気づき、自信をつければ、いろいろなことに踏み出せるようになります。

では、なぜそうならないかというところが問題です。
それは、結局、親の責任です。
私がしばしば思うのは、日本の独特の文化です。それは良い面も悪い面もあります。外国に旅行に行ったり、外国の人と接していると、特にそうしたことに目が行くようになりました。日本の当たり前が、海外では当たり前ではないということがあることを知り、そして、日本で生きてきて、学校や日本社会で植え付けられてきた常識や固定観念に疑問を持つようになります。
日本人が考える、典型的な幸福な人生観として、例えば、まず、大学を卒業するということがあります。今、日本人の半分は大学を卒業しますから、それが多数派です。そして、従業員数、数百から数万人以上の企業に就職し、主にオフィスビルの中で仕事をし、年齢とともにある程度の役職になり、世間一般の平均程度には収入を得て、結婚適齢期になれば結婚をし、子供を2~3人作り・・・、というように絵に描いたような一生を生きるのが理想であるかのように思い込みむのです。敷かれたレールの上をトレースして生きなければならないという思い込みを持ってしまいます。
しかし、誰もが大学を卒業するわけではありませんし、高卒や中卒、中学校、小学校すら卒業していない人もおられます。当然、そうした人でも、立派に生活されています。

普通というものがあり、普通でなければならないという、思い込みがあるのです。現実は何事にも高い、低いということがあります。知能指数は100が中央値ですが、人によってそれより高かったり、低かったりします。体重も平均値やBMIというものがあります。他にも、年収やFacebookの友達の数等、いろいろあります。もしも、そうした平均値のようなものを、大きく、上回ったり、下回ったりすれば生きる権利がなくて、世間で堂々としていられないかのような思い込みをもってしまう人がいます。
なにごとも、常に、平均付近にいて、多数派でなければ、恥ずかしいことであるかのような錯覚を持っているのです。

引きこもりの人も、そのような先入観に支配されているので、行動を起こせません。
なぜ、引きこもりの人がそのように考えるかと言えば、親がそのような考え方だからです。そのような親の考え方の下で育ってきたのですから、子供もその影響を受けます。
そうした親が子供を引きこもりから脱出させられないのは、世間体を気にする親が行動を起こせなかったり、そうした子供に引け目があるからです。

親がそうである以上、その根本原因の親の元で生活していては、決して引きこもりから抜け出すことはできません。
引きこもりを続けていても、奇跡は起きません。誰も助けてもくれません。
引きこもりを変えるには、親から離れて生活することが必要です。

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