2017年4月28日金曜日

北朝鮮 核実験やミサイル発射だけでなく金正恩は戦争さえ覚悟できている

最近、北朝鮮のことがニュースで問題になっているようです。アメリカの大統領が行動力のあるトランプ氏になったことで、中国を巻き込んで、北朝鮮の核とミサイル開発をやめさせようとしています。
そうしたニュースを見る中でテレビや新聞等で報道される視点とは異なることについて気がつくことがありましたので書いていきたいと思います。

■アメリカはアメリカのことが第一
トランプ大統領はアメリカファーストというスローガンを掲げ、アメリカのことを第一に考えると言っています。これは今に始まった話ではなく、昔からアメリカはアメリカの利益を最優先に考えていまして、それはアメリカ人の投票によって選出されたアメリカ国民のための大統領ですから、アメリカ第一に考えるのは当然と言えば当然です。トランプさんはそれを口に出して露骨に遠慮なくやることもあると宣言しているだけのことです。本質的には今も昔も変わりません。
現在、北朝鮮のミサイルは中距離から長距離へと進化し、アメリカ本体にまで到達するという段階へと近づいているようです。それで、アメリカとしては、そうなる前に叩き潰しておきたいわけです。
しかし、そこで思うのが、北朝鮮のミサイルはすでに韓国や日本、アジアの国々には到達可能であるということです。まもなく届くという話ではなくて、もう完全に射程範囲にあります。
アメリカは、これまで日本を含むアジアの国々に核ミサイルの脅威があっても、本格的に対策することはありませんでした。それが、アメリカ自身の脅威になるとなると話が違ってくるわけです。まさにアメリカファーストです。アメリカにとって危険だから、動きはじめたのです。逆に言えば、アメリカにとって脅威がなければ、日本やその他の国に脅威があっても、重要度は下がってくるということです。

■核やミサイルが本質ではない
もしも、私が金正恩の立場だったらと思って考えてみました。祖父から三代にわたって引き継いできた最高権力者としての地位、そして彼を取り巻く側近たちの地位を守るのが、彼の死守するものです。その先には祖国統一ということもあるかもしれませんが、それは現在の地位あってのものですから、まずは現在の地位が盤石になることが最優先です。
しかし、他の国からは悪人扱いされ、血眼になって地位を守る、そんな生活に疲れたからといって、今さら普通の生活をすることはできません。一般の人と同じような生活を望めば、あっという間に命が狙われます。
そうであればもはや覚悟するしかありません。石にかじりついてでも北朝鮮国家元首としての地位を維持するか、そうでなければ死ぬかです。
亡命を提案してはどうかという意見もあります。例えば中国に亡命するとか…。しかし、それはこれからの一生を囲まれた空間で生活することを意味します。ある程度、食べ物や生活環境のリクエストは受け付けてもらえるかもしれませんが、すべてが自由とはならず、かごの中の鳥のように、むなしい一生を過ごすことになりそうです。そのような選択をするとは思えません。
覚悟を決めた金正恩にとって迷いはありません。地位を脅かそうとするものに対しては、徹底して対抗する可能性があります。仮にアメリカが北朝鮮を攻撃して国内に被害がでたとしても、最低限守るべきものである地位さえ残れば良いのです。
うまく金正恩の首をとっても、その先のことを想定している可能性もあります。血縁者による後継や、それが幼齢なら摂政による継続に備えているかもしれません。
そうなってくると、この金一族による世襲システムを確実になくすには、北朝鮮の中枢まで軍で抑えて、体制自体を崩壊させるしかありません。

トランプ大統領は、核やミサイル開発をやめさせるのが目的であって、体制の変更までは望んでいないと言いました。それは本心ではありません。意味がありません。閉鎖的な独裁体制をどうにかしない限りは、根本的な解決になりません。
金正恩の兄である金正男氏の殺害、拉致被害等、国際的な問題行動もありますし、北朝鮮国内に大きな災害があった場合には人道的な支援が必要になるかもしれません。そうした時に、開けた国家でない場合、正常なやりとりができません。
北朝鮮という国の国家体制という部分にまで言及し、それを否定することは、内政干渉とか、多様性の問題ということは言えそうですが、現実的で正直な話としては、金一族体制がなくなって、文化や経済交流のある開けた国家になってもらうのが、周囲の国にとってもっとも安全なことで、それを望んでいるのです。

■核やミサイル開発は間違っているというが
多くの国の人たちは、彼らが核やミサイルを開発することは間違っていると言います。それは間違っているというより、周囲の国の人たちの脅威となるため、安心できないということです。
もしも、彼らが核実験を繰り返し、核兵器の小型化や威力向上に成功し、ミサイルの性能と信頼性を獲得し、そうしたものを移動式のトラックや潜水艦に搭載し、その数が数十、数百、それ以上という単位になったとすれば、もはや武力によって彼らを押さえつけることは不可能です。
それは、力ずくで彼らの体制を転覆させることはできないことを意味します。核とミサイルによって体制が維持できると、かたくなに信じている彼らの考えには、そういう意味では残念ながら同意できます。

覚悟を決めた彼らに対していかなる制裁を行っても、体制を維持さえできるのであれば絶対に屈することはないでしょう。核施設やミサイル施設を部分的に攻撃しても、攻撃される脅威を知った彼らは、なおさらのことあきらめることはないでしょう。
外科的対策をするには、まだ力のついていない今しかチャンスはなく、数年もすれば、手がつけられなくなるその前にやっておかなければならのないのですが、繰り返し言われているように、目と鼻の先にあるソウルに向けられた大量の砲台をどうにかできる画期的なアイディアがなければ、手を出せません。

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