フライトシミュレーターを楽しむには、ジョイスティックが必要です。昔買ったSaitekのCyborg Xというジョイスティックを引っ張りだしてきました。ところが、Windows10に対応させるドライバーが提供されていなくて、使うことができません。このCyborg Xは写真での見た目にはサイバーなデザインでかっこ良く見えるのですが、実物は作りがしっかりしておらず、使い良いものではありません。
ともかく、ジョイスティックが使えないので、また買い直すしかなくなってしまいました。ドライブゲームでのハンドルコントローラー代わりも兼ねて、今度はフライトヨークというハンドル型のフライトシミュレーター用コントローラーを探してみることにしました。
今時、フライトシミュレーター関係のコントローラーなんて、売っているところはないですが、Yodobashiにあるようなので、実際に店頭に行って、SaitekのPro Flight Yokeという製品を購入しました。他にSaitekのPro Flight Cessna Yokeという製品もあり、ハンドルの回転角度が左右90度まで曲がるので、そちらの方が良さそうだったのですが、売り切れていましたので、しかたなくPro Flight Yokeの方を購入しました。
それで、Pro Flight Yokeでフライトしてみるのですが、左右にフラフラ揺れたり、ピッチのコントロールもとてもやりにくいです。
機体が左に傾いた時、ヨークを右に切ると、右に大きく傾きすぎ、それを修正するために左に切ると、今度は左に傾く、といったことを繰り返してしまいます。
車のドライビングゲームでハンドルコントローラー代わりとして使った時も、車をまっすぐ走らせるのがとても難しいです。
このヨークはエルロンとエレベーターにスプリング入っていて、手を放すとスプリングでセンター位置に戻ります。しかも、曖昧な中心感覚ではなく、ここという位置でカチッと止まります。これでは、センター付近のスプリングが切り替わる位置でスムーズなコントロールができません。
また、片手による微妙な操作ができないほど、スプリングが強すぎます。スロットルを併用したクロスコントロールは筋力トレーニングになってしまいます。
そうしたことから、機体がふらついたり、車がまっすぐ走らない原因があるのではないかと考えました。
Pro Flight Yokeの裏蓋を開けて、エルロンのスプリングを取り外して、センターに戻らないようにしました。エルロンは自分でセンターが分かるので、もともとスプリングは不要です。エレベーターはスプリングを取り外し、代わりに輪ゴムを使って強度を落とすとともに、センターが曖昧になるようにしました。
Pro Flight Yoke自体の操作感はだんぜん良くなったものの、それでもまだ、実際に飛行機を飛ばしたり、車を運転した時の操作感が改善されません。
キャリブレーションか何かでどうにかならないか調べていたところ、Windowsの「ゲームコントローラーの設定」で、おかしい部分があることを発見しました。
Windowsのゲームコントローラーの設定では、エレベーターとエルロンの位置を+記号で表示しているのですが、これがセンター付近で動きません。エルロンを左から右に一定速度で動かした際に、センター付近で+記号が動いていません。エルロンの中心から左右10度程度デッドゾーンがあるようです。エレベーターについても同じです。
関連する情報がないか、ウェブサイトを探していたら、海外のフォーラムで古くから話題になっていました。
それによると、Pro Flight Yokeのファームウェアのキャリブレーションプログラムがそのようになっているのではないかという結論です。書き換え不可能なファームウェアがそのようになっているため、パソコンにセンター付近の入力データ自体が入ってきていません。ですので、デバイスドライバー等によるパソコン側のソフトウェアでどうにかして解決するような方法はありません。お手上げです。
センターにデッドゾーンがあっては、まともな操作は不可能です。
たとえば、本当の自動車の場合、ハンドルには遊びがあります。しかし、フィードバックもあるため、ドライバーはハンドルの重みから切れる強さを感じることができます。
Pro Flight Yokeにはフィードバックがないため、どこから切れだすのかが分かりません。
道なりにまっすぐ走行している車を少し左に進路変更したいと思い、ハンドルを左に切り始めたとしたら、数度回した位置で、画面の車体が動くことでハンドルが効きはじめることが分かります。車体は左へ動いていくので、今度は道なりにまっすぐに戻すため、ハンドルを右に切るのですが、センターのデッドゾーンを超えて数度右へ回したところで、ようやくハンドルが効きはじめます。
左右にちょっとずつハンドルを切って微調整しながらまっすぐ走行するシーンは普通にありえるのですが、デッドゾーンがあるために、操作が困難です。
左に行き過ぎたと思って、右に切っていってもデッドゾーンの中ではまったく効かず、あるところで突然ハンドルが効き始めます。それで左に戻そうとしても、またデッドゾーンを経て、あるところまで切っていったところで、突然効き始めます。その効き始める位置にフィードバックがないため、感覚的に効き始めることを知覚することができず、左右にオーバーコントロールを繰り返して、フラフラとした運転になってしまいます。
まともに操作できないとなると、フライトシミュレーターもドライビングゲームもやろうという気が起きなくなってしまいました。もはやPro Flight Yokeはただの粗大ゴミです。
以前買ったジョイスティックCyborg XのクオリティーやWindows10対応のドライバーが提供されない件、それと今回のことから、今後私はSaitek製品の購入には、かなり慎重になると思います。
海外のフォーラムで話されていた唯一の解決策は、Pro Flight Yokeのセンサー部分までは使うが、それ以降はBU0836Xというジョイスティックボードに置き換えるというものです。その方法であれば良好なようです。最後の手段として、Pro Flight Yokeを使えるものに変えられるか試してみることにしました。
こちらのサイトから購入しました。49.99GBPとエアメイルの送料5.95GBP合わせて55.94GBP、日本円で9千円くらいでした。Saitek製品のクオリティーのために要らぬ散財です。なぜかPayPalでは支払いができなかったので、クレジットカードを使いました。
エアメイルですと料金は安いですが、到着に時間がかかり、追跡もできません。約一週間でイギリスから送られてきました。
もう少し安いBU0836Aの方でも使えるかもしれません。そちらの場合、接続がピンコネクタによるものになりますが、パソコンのパーツショップあたりで使えそうな部品を探してきた方が、ひょっとすると安上がりになるかもしれません。
先ほどのフォーラムに配線方法の写真があったので、それを参考に作業しました。
もともとハンダ付けされている配線をハンダゴテで溶かして外した後、新しいリード線をハンダ付けしなおします。そして付け直したリード線をBU0836Xに配線します。
BU0836X自体はPro Flight Yoke内にあるビスで固定しておきました。
BU0836Xとパソコンを繋ぐのにBタイプのUSBケーブルが必要です。とりあえずプリンターのUSBケーブルで代用しました。
ハンダゴテでケースの一部を溶かして穴を開け、USBケーブルをケースの外に出しました。
BU0836Xを接続すると、Windows10にはゲームコントローラーとして認識されます。ゲームコントローラーの設定からちゃんとキャリブレーションをとることができます。
X-PLANEやドライビングゲームで試したところ、当然ですが、中心付近の微妙なコントロールができるので圧倒的に操作しやすくなります。操作しやすくなるというよりは、ようやくまともに操作できるようになったと言った方が正しいかもしれません。
これから、SaitekのPro Flight Yokeを購入しようとする人がおられた場合、おすすめしません。センター付近にデッドゾーンがあるのはSaitekに言わせれば仕様ということになるのでしょうが、致命的な操作性の悪さです。
すでに購入してしまった人は、あきらめて粗大ゴミとして出してしまうか、追加投資と手間をかけてまで、上記のような対応をとるかということになってしまいます。
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