2019年6月14日金曜日

E3で新Microsoft Flight Simulator発表 衛星データを使った美麗な3DCG

6月9日のE3 2019において「Microsoft Flight Simulator」のトレーラーが公開されたそうです。


あのMicrosoft Flight Simulator Xから14年を経て、新しいMicrosoft Flight Simulatorが登場しそうです。対象機種はPCとXbox One、発売予定は2020年です。


衛星データを使っていることで、フォトリアリスティックなグラフィックスとなっています。また、どのように利用しているのかは分かりませんが、Azure AIを活用しているようです。
トレーラーを見ていると、雲の表現、衛星写真のテクスチャー、細かい建物まで作りこまれた都市、天候表現、ナイトフライト等、非常にハイクオリティなフライトシミュレーターの映像となっています。
あのMicrosoft Flight Simulatorの続編であり、このグラフィックスですから、おそらくすべてのフライトシミュレーターファンにとって、大きなニュースで、来年が楽しみになるのではないかと思います。


さて、トレーラーのグラフィックスが素晴らしいのはいいのですが、一呼吸おいて冷静に見ることも必要です。
まず、映像の中には実写と思われる部分も含まれています。例えば、フォーカスによって背景がぼけているショットがありますが、通常、ゲーム画面ではそのようなことはしません。
すべてのものが地面や海面に影を落としており、しかもその影はエッジがぼやけていたりします。このような処理は相当な負荷となります。
トレーラーはゲーム画面そのままというわけでなく、編集が加わっている可能性がありますので、そのあたりは考えておいた方がいいと思います。
また、現在のGPUでこうしたグラフィックスが可能だったとしても、あくまでフライトシミュレーターですのでフレームレートがなければ意味がありません。


フライトシミュレーターというのは見た目だけではありません。むしろ、コアなフライトシミュレーターファンは、グラフィックス以外の部分にこだわります。

一番重要なのが物理計算やフライトモデルです。FSXまでのマイクロソフト製のフライトシミュレーターは、タキシング中に曲がると、機体がドリフトしていました。それによって、タキシングでまっすぐ進むのが難しかったりしていました。飛行中の挙動も同様です。そうしたフライトシミュレーターである核心部分においても、グレードアップされているのか気になります。


FMS、航空管制、コックピットオペレーション、サードパーティーアドオン、VRといった、地味ではありますが、長く楽しめるフライトシミュレーターになるためには、そうした要素も欠かせません。


10年以上前のFSXやその後継のP3Dが、未だに使われている現実があります。それらを置き換えるこれから先のフライトシミュレーションプラットフォームを担う存在になれるでしょうか。