2018年5月31日木曜日

X-ATC-Chatterでバックグラウンドに無線交信を流すといい感じ

X-Plane11で飛行中に、航空管制の無線交信の音声を流して雰囲気を盛り上げてくれるプラグインを開発しているX-ATC-Chatterというプロジェクトがあるようです。
X-Plane11のプラグインですからX-Planeと連携して動作します。例えば、機体のパワーを入れるまで、無線交信の再生は始まらないようにできます。comの周波数をタワーやグラウンドに変えると、それに適した無線交信の音声をランダムで再生します。音声データは、人工音声ではなく、肉声のもので、かつどの空港であっても不自然な文脈にならないように編集されています。
まだ、アメリカやヨーロッパの音声データが中心で、アジアの音声データは作成されていません。音声データの収集はボランティアを募っているようです。
正式版は$10.00USDと、手軽な価格です。Sampleをダウンロードして、簡単に試すことができます。
将来的にはアジアのものも収録されるのかもしれませんが、アジアといっても、日本語なまり、韓国語なまり、中国語なまり等があるので、ひとくくりになってしまっているのはどうなのかという気はしないでもありません。


また、朝の飛行にもかかわらず、Good eveningという音声が入っていたり、まったく異なる高度計規定値を言っていたりするので、音声が汎用化されているとはいえ、不自然さがないわけではありません。

本来なら、周囲にAI機が飛行していて、それらが同一のATC下のもと、自然な英語をしゃべりながら無線交信していれば一番いいのですが、現状はそこまで実現できる環境はありません。
とりあえず、Sampleをスタンドアローンで試してみたところ、バックグランドに少し音量を落として流しておくといい雰囲気で飛行できました。雰囲気だけですが、これはこれでありだと思います。

X-ATC-Chatterに付属の音声ファイルはPilot2ATCのchatterファイルとして流用することもできます。
また、X-Lifeとの統合も実現されているようです。

カフェは意外に仕事をしにくい

私は普段、会社のオフィスで仕事しているのですが、おしゃべりのうるさい人がいたりすると、居心地が悪く、仕事に集中できないことがあります。おしゃべりな人は声が大きいということもあるのですが、話している内容が重要なことでなく、必要があって仕事の話をしゃべっているのではなく、しゃべることが目的で仕事の話をしているのです。それだから、話も冗長で、なかなか終わりません。そういう人を気にしていると、だんだん疎ましくなってその人のことが嫌いになってきます。嫌いになれば、声質や笑い声なんかが鼻について、ますますイライラしてきます。
気にしないということができればいいのですが、一番簡単なのは、その場から避難すればいいのです。空き会議室に逃げるという方法もありますが、会議室を使うには、何のために使うのかという理由が要ります。だからといって予約せずに空き部屋を使っていると、いつ誰がやってくるか分かりません。
それであれば、会社の外に出てカフェで仕事をするという手段があります。勝手に外出するのは、問題ではありますが、監視が強すぎない会社であれば不可能ではありません。それで実際にカフェに行って仕事をしたことがあるのですが、いつものうるさい人から逃れられることはできるものの、それで快適かというとカフェでの仕事も快適とはいえません。

まず、カフェこそうるさい人がひっきりなしにやってきます。おばさんグループ、学生、営業のサラリーマンが電話をする等々、けっして静けさの中では仕事ができません。

また、カフェですから、当然ながらなにか注文する必要があります。一番安いコーヒーや紅茶でも300円程するのが普通です。それで何時間も粘っていればそのうち目を付けられますから、適当にお代わりをしたり、よそのカフェに移動したりする必要があります。そのたびに場所代がかかり、そういうことを頻繁にしていたらコストもバカになりません。

カフェの中で、パソコンを使うための電源のある席は限られていて、そういう場所は集中するのに向いているかというと、むしろ逆で、長居させないためか、よりによって落ち着けない席だったりすることも多いです。さもなくば、バッテリーもちのいいノートパソコンを使うか、バッテリーの残りを気にしながら仕事をすることになります。

同じようにカフェで仕事や勉強をしている人を見かけて、そういう人の近くなら同じ境遇なので少しは快適かといえば、ノートパソコンのキーボードの打ち方が強くてうるさかったり、コーヒーを音を立てて飲んだり、食べ物をくちゃくちゃ言わせていたりと、気に障ることだらけです。

職場のオフィスも快適ではありませんが、カフェも、どっちもどっちでけっして快適ではありません。カフェの方がいい点は、上司の目がないとか、フリーアドレスのように場所を好みで決められるということはあります。割に合うかといえば微妙です。

在宅勤務にでもすれば一番快適だと思いますが、それはそれでいろいろと実現困難な点もあり、難しいところです。

2018年5月30日水曜日

X-Planeで傷だらけになるViveコントローラー

VRでX-Planeを飛ばすときに問題になるのが、Viveコントローラーを机の足などにガンガンぶつけることです。
フライトシミュレーターをVRですると、自分の周りにコックピットが現れ、自分自身がコックピットの中に収まった状態になります。そのVR空間内での手となるVR用のコントローラーを両手に持ちます。VRコントローラーは室内空間のどこで、どの角度になっているかがトラッキングされていて、VR空間内のものを遅延を感じることなく自然に操作できます。
VRコントローラーはVR空間内の手となるものであり、その手でヨークやスロットルレバーを掴んで、操作することができるようになっています。しかし、掴んだという感覚や、動きに制限がでるようなフィードバックはありませんから、実際のところあまり操作しやすいものではありません。それで、ヨークやスロットルレバー、ラダーペダルだけは、普通のジョイスティックを使い、それ以外のオートパイロットのパネルやオーバーヘッドパネル等を触るのにはVRコントローラーを使っています。
ジョイスティックは手の届く机の上に置かなけらばならないのですが、そうすると机の足や天板が目の前にあることになります。航空機のコックピットというのはあちこちにスイッチ類がありますから、いろんなところに手を伸ばさなくてはならず、VRコントローラーを机のいろんなところにぶつけてしまいます。
また、FMSといった低い位置にあるものを触るときには、机でトラッキング用のレーザーがさえぎられて、トラッキングロストを起こしたりします。

そこで、ホームセンターに行って、アングルやクランプを調達してきて、机からアングルで伸ばした空中にジョイスティックを保持するようにしてみました。ジョイスティックの上下左右の空間にはなにもない状態にできたのですが、ヨークの後ろにもダイヤルがあったりするので、そうしたものを触る際にジョイスティックやアングルにVRコントローラーをぶつけてしまします。
ViveのVRコントローラーはそこそこ頑丈にできていそうですが、プラスチックの表面は傷ついてしまいます。
Airbusのようなサイドスティックの配置にするとか、パッドかあるいはコンパクトなジョイスティックを探すとか、操作性が高い方法を検討したいところです。

X-Planeで飛ぶにも時間がかかる

私はX-Planeでは、いつも同じルートを飛んでいます。今は、台湾の桃園国際空港から関西国際空港のルートです。
なぜ、同じルートばかり飛ぶかといいますと、新しいルートのフライトプランを作成するのには手間と時間がかかりますし、いつもと違うことをすると飛行中に失敗する可能性が高まります。時間があり余って生活しているわけではありませんから、一度確立した成功率の高い飛ばし方ばかりするようになってしまいます。
しかし、台湾は近いといっても、普通に飛ぶと関空まで3時間程かかってしまいます。スポットから離陸して巡航高度に達するにも30分以上かかりますし、巡航高度から降下して着陸し、スポットに到着するにも30分以上かかります。巡航中は、地図ウィンドウを開いて、機体のマーカーをドラッグしたり、対地速度を上げてチートしていますが、それでもなんやかんやで結局トータル2時間程かかってしまいます。2時間ずっとやることがあればいいのですが、上昇中や降下中は、結構暇がありますので、そういう時間をもう少し短縮できれば、ぎゅっと詰まったフライトを楽しめるのではないかと思うものの、そうしようと対地速度を倍速化すると、とたんにオートパイロットによってピッチがガクガク上下動を起こし、大暴れになります。それを改善するアイディアを考えているものの、取り組む時間も必要で、手が付けられていません。
平日の夜なんかは2時間取られると結構大きいです。

2018年5月24日木曜日

Pilot2ATCの音声を無線通信ぽく改善

X-Plane11上でATCを実現するPilot2ATCを組み合わせて使っています。Pilot2ATCは管制官の指示をWindowsのテキスト読み上げ機能を使ってしゃべるのですのが、そのサウンドのままだとクリアすぎて無線通信ぽさがありません。そこで、こちらを元ネタに、改善してみました。

1.まず、VB-CABLE Driverをダウンロードしてインストールします。

2.Vinylをダウンロードしてインストールします。無料ですが登録が必要です。Serial Numberが発行されます。

3.SAVIHostをダウンロードします。私は「savihostnkx64.zip」をダウンロードしました。
展開してできた「savihost.exe」をVinylのフォルダー「C:\Program Files\Steinberg\VstPlugins\」に置き、「iZotope Vinyl.exe」にリネームします。

4.リネームした「iZotope Vinyl.exe」を起動します。
メニューをDevices → Waveとたどり、Input portに「DS: CABLE output(VB-Audio Virtual Cable)」、Output Portにお使いのスピーカーやヘッドフォンを指定します。
WEARのスライダーをいっぱいまで上げ、YEARを1950辺りまで下げます。

5.Pilot2ATCを起動し、ConfigのSpeechタブにあるSpeech Output Deviceに「CABLE Input(VB-Audio Virtual Cable)」を設定します。

以上を一度設定すれば、今後は「iZotope Vinyl.exe」を起動するだけでOKです。

Pilot2ATCの交信音声が少し無線通信ぽくなります。実際の無線はもっと雑音がひどかったりしますが、Pilot2ATCの音声が分かりにくくなっても困りますから、こんなものでちょうどいいのかもしれません。

Pilot2ATCでSIDやSTARに基づいたATCでフライト

いつもX-Plane11で飛んでいて、慣れてきたので、フライトオペレーションに余裕がでてきました。ここにさらに航空管制官とのやり取りでもあれば、臨場感も高まるし、忙しくなってもっと楽しそうな気がするのですが、X-PlaneのATCは、使い物にならず、独特のひどい人工音声を聞いていると気分が悪くなります。それで、X-PlaneではATCはまったく使っていません。
X-Planeで使える外部ATCのソフトウェアとしてはPilot2ATCというものがあります。このソフトの存在自体は以前から知っていて気にはなっていました。公式ウェブサイトを見ていると、理解するのが大変そうで躊躇していました。しかし、実際に使ってみると思ったより簡単でした。それと、私はVRで飛んでいるので、VRで運用できるかというのも問題なのですが、工夫すれば使うことは可能です。


Pilot2ATCを使うにあたっては、前提知識として、SIDやSTAR、FMSの操作、基本的な航空管制の仕組みを知っていると話が早いです。またPilot2ATCの画面操作、マニュアル、ウェブサイトの情報を理解するために、英語が苦手でないほうが便利だと思います。
最初は10日間のトライアルがあり、その後は59.95USD(約7,000円)で購入して継続使用できます。

Pilot2ATCはX-Planeだけでなく、FSXやP3Dでも使えます。それは、フライトシミュレーター本体と外部ソフトウェアを仲介するプラグインを使っているためです。X-PlaneではXPUIPC、FSXやP3DではFSUIPCとなります。Pilot2ATCはそれらを使っているため、X-Plane、FSX、P3Dにすべてに対応できます。

Pilot2ATCは、SIDやSTARを運用し、気象に合わせて使用滑走路やSID、STARを割り当てます(自分で指定したフライトプランを強制することもできます)。つまり、フライトプランを提出はしますが、スポットでデリバリーからクリアランスを受けるまで、最終的にどの滑走路とどのSIDになるかは分かりません。到着時も同じで、STARや着陸滑走路は到着空港に近づいた時に明らかになります。ですから、飛行中にFMSを修正することになります。
Windowsの音声認識を利用しており、管制官とのやり取りは音声で行います。コパイロットにしゃべらせることもできますが、自分でしゃべるほうが楽しいのではないかと思います。使う言語は英語になります。英語というよりは航空管制独特の決まり文句です。それらは覚えるしかありません。とはいっても、無理なほどバリエーションが多くはありませんし、リードバックする文を表示してくれたり、目的に合わせてセリフをコンボボックスの一覧から選択できる仕組みもあります。
うまく音声認識されずに、伝わらないこともあります。Windowsの音声認識機能を使っているので、そちらの機能で自分の声に合わせてトレーニングさせて認識精度を向上させることはできます。Windowsの音声認識機能は、航空管制用ではなく一般用途の音声認識ですから、カタカナ英語だと認識されない可能性はあります。
リードバックする内容で、重要な部分が間違っていると、言いなおしをさせられます。タキシングの途中のルートは全部リードバックしていると、うまく音声認識されなかったり、面倒なだけですので、目的地だけ言えばいいように設定できます。
スコークコード、高度計規定値、無線周波数は、言われた通り、ちゃんと設定しなければなりません。ただし、無線周波数についてはコパイロットに自動入力させることもできます。当然、高度やルートは指示された通りに飛行しなければなりません。それにより、飛行中、FMSの修正が必要なこともあります。

Pilot2ATCを使うことで、出発から到着まで、一通り航空管制下で無線通信しながら飛行することができますから、臨場感をもって楽しむことができます。
はじめて使ってみたときは、当然、すべてを通して完璧には飛行できないと思いますが、しばらく使って要領を得てくれば、やり方は分かってきます。

Pilot2ATCは航空管制を実現してくれる素晴らしいソフトですが、今まで使っていて気になった点がないわけではありません。
まず、空港の誘導路の形状によっては滑走路への接近を認識できず、タワーと交信できないことがありました。しかし、滑走路に近づけばいいだけなので、たいていは問題回避が可能です。
些細な使いにくさはあります。起動に少し時間がかかりますし、最初にウェイポイントを入力した後、フライトプランをスクロールしないと、なにも見えないといったユーザーインターフェースの細かい調整不足もあります。

Pilot2ATCはAI機の管制はしません。AI機のアドオンであるX-LifeやWorldTrafficとの同時使用はできますが、AI機はPilot2ATCの管制下にないので、当然、プレイヤー機との衝突が起きます。衝突しても、当たり判定はありませんので事故にはなりませんが、気分は冷めてしまいます。WorldTrafficとの連携という話が出ているようですが、今のところは対応できていません。

再生される音声はWindowsのTTSをそのまま使っているので、音声がクリアすぎて、ノイズまじりの無線通信っぽくありません。音声がよく聞こえるという面ではいいのですが、雰囲気はでません。
しかし、音声出力を加工するソフトを通すことで、それらしくする方法がないことはないようです。

VRには正式対応していません。使えないということではありませんが、Pilot2ATCの操作ウィンドウをVR空間に出す機能はありません。交信の内容を音声だけでなくテキストでも確認したいので、それができないのは痛いところです。幸いPilot2ATCの交信内容については、「?+」というボタンをクリックすることで、小さな別ウィンドウとして切り離すことができます。そして、そのウィンドウをMoveVRを用いて(あるいはOVRdrop(もしくはそのアルファ版)で力ずく)VR空間に表示させることはできます。それとPTT(Push To Talk)をVRコントローラーに割り当てることができません。PTTというのは、無線交信でしゃべっている間に押しておくボタンのことです。ジョイスティックとキーボードには割り当てられるので、そちらに手を伸ばすことになります。あるいは一応割り当てる手段がないわけではないようです。VRでは若干の不便はありますが、そうした工夫を駆使して使うことは可能です。
大型航空機のコックピットはもともとスイッチや計器類に囲まれていますが、Pilot2ATCのウィンドウの他、地図ウィンドウや、AviTabでチャートを表示したりしていると、より囲まれ感が高まります。AviTabは手持ちのPDFファイルのチャートをVR空間内に表示したりできる他、空港データを検索してILS周波数を調べたりできるので、特に航空管制下の飛行においては便利です。


Pilot2ATCの約7,000円(59.95USD)する価格は手が出しにくいところです。X-Plane本体をオフィシャルサイトで購入すると59.99USDですのでほぼ同額です。SteamではX-Plane本体は7,499円ですが、セールになるともっと安くなります。価格については、仕方ないところですが、これが踏み切れない障害になることもあるのではないかと思います。

少々不安があるとしても、現状X-Planeにおいては、選択肢はあまりありませんし(FSXやP3DはPRO-ATC/X等あります)、まだ使いこなせていないバックグラウンドに無線交信を流す機能等もあるようですので、しばらくは楽しめそうです。

X-Planeの開発者もATCの改善に興味がないわけではなさそうなので、将来的にはX-Plane自ら有効なATCを実装する日が来るのかもしれません。